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【完結】剣製の魔法少女戦記
第一章 無印編
第二話        『稽古と料理』
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だから素直に受け取って」

母親というものは偉大なのだろうか。結局四の五の言う前に説得されてしまった。
それで昔懐かしドリルというものをいくつも渡され、桃子さんはというとそれはとてもいい笑顔だった。
その後には私の服その他も購入してくれるといったがさすがにそこまで迷惑かけたくなかった。
なのでリュック(落ちた衝撃で中身の宝石剣が壊れていないか心配だったが、すべて大丈夫だった)の中に入っていた魔力の宿った宝石を数十個残して午前中に桃子さんと一緒に換金してもらいそれで買うことになった。
…ちなみに換金したお金の量はリンとは思えないほどの振る舞いだったと記載する(…もしかしたらウッカリで入れ過ぎたのかもしれない)。
なのでしっかりと通帳を作ってもらい貯金した。……―――後でいきなり現れて『倍にして返しなさい!』と言われないか私は不安で仕方がない。
その他にも保健所でさすがに苗字は違うが高町の施設からの養子(どこでそんな話を作ったのかは分からないが、後が怖いので聞けない…)として登録してもらい、午前中の内に服装その他を購入した。
女性の服装関係(主に子供用専門の服装専門店やランジェリーショップ)は私にはまだ理解の及ばない異界の場所だったので桃子さんに頼んで似合うらしい服をいくつか見繕ってもらった。



それだけで一日はあっという間に過ぎてしまい、でも桃子さんもとても楽しそうだったので私もつい頬を緩ませた。
そして最後に高町家族が営業しているという『翠屋』という喫茶店に入れてもらうとそこには士郎さんをはじめ、恭也さんや美由希さんも働いていた。
どうやら主に家族を中心に切り盛りしているらしい。

「あ、シホちゃん。そんなに荷物を持って大丈夫?」
「はい。これでも力仕事には自信がありますので」
「それじゃ奥においてきていいぞ。折角初めての来店なんだしご馳走するよ」

士郎さんがそう言ってきたので折角だしご馳走になることにした。
そして夕食前だというので出された軽めのお茶菓子を口に含んだ瞬間、なにか…こう心の奥から湧き上がってくるものがきた。
なんて表現したらいいのかわからないが、とにかく稲妻が私の体を貫通した。今もなお体が痺れている感覚に襲われる。


…思えば朝の朝食の時もこの感覚はあった。
目の前に出された数々の食事達。
いい具合に焦げ目を出して美味しそうなトーストに、自家製のジャム。
新鮮な野菜をこれでもかといわんばかりに一つのお皿にそれぞれ自己主張されずに均等に並べるその手際。多種多様のドレッシング。
スクランブルエッグは特に格別だったと言わざるを得ない。
食後の紅茶もかなり心を落ち着かせてくれた。
洋食に関しては桜に譲っていたが桃子さんは桜以上…いや、もしかしたらかなりの上位者かもしれない。

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