第3章 白き浮遊島(うきしま)
第28話 ラグナロク?
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俺の説明に納得したのか、ひとつ首肯くタバサ。雰囲気は微妙ですか。陰陽入り交じった雰囲気で、彼女がどう思ったのかは少し判り辛いですか。
それに、そんな事など今はどうだって良い事ですから。
「そうしたら、この階の他の宿泊客の確認の後、階段に人間以外の侵入を防ぐ結界を施してから、下の階も同様の処置を行う。そして、それから一階に向かうか」
もっとも、この宿は貴族専用。つまり、俺達以外の宿泊客も貴族や、その御付きの人間なのですから、それなりに身を守る術は持っているはずなのですが。
俺のその台詞に、タバサは小さく、それでも、彼女にしては珍しく強い調子で首肯いて答えてくれたのでした。
☆★☆★☆
降りた先の一階、酒場部分。そこも既に戦場で有った。
二階から続く階段から現れた俺に向かって、いきなり振り下ろされる巨大な腕。
その攻撃を半歩分左に身体をずらす事によって躱し、同時に閃く銀光。
下段から斬り上げられた一刀に、周囲を朱に染めて倒れ込む巨大な毛むくじゃらの鬼。……と言うか、こいつはもしかするとトロールか?
そして、優美な弧を描いた七星の宝刀はそのまま、元の鞘へと収まった。
俺と同じように、斬り掛かって来た小鬼を瞬殺して見せたジョルジュが俺に近寄って来て共に階段を護る位置に付く。
もっとも、小鬼と表現しては居ますが、最初に俺に襲い掛かって来たヤツと比べて小さいと言うだけで、ほぼ人間と同じサイズの鬼では有ったのですが。
……う〜む。しかし、もし最初のヤツがトロールなら、コイツらはドヴェルグなのか?
刹那。周囲に降り注ぐ氷の刃。
その狙いは彼女に相応しい正確さで、酒場中に広がりつつ有った魔物の大半が一掃される。
そのタバサの仙術が行使された直後。
壊れたか、壊したのかは判らないのですが、分厚い石製のテーブルを防御壁代わりにして魔法を放っていたキュルケが、テーブルの後ろから俺とジョルジュくんの後ろ。つまり、階段の方に走り込む。
その彼女に付き従うかのように追従する、数体のゴーレム。
こいつらは、おそらくジョルジュがキュルケの防壁代わりとする為に作製したゴーレムなのでしょう。
彼は土属性。確か、この世界の土系統の魔法の中にはゴーレム作製魔法も含まれていたはずですし、五遁土行の仙術の中にも似たような仙術は存在していました。
「二階の方は終わったの?」
ルイズと才人のふたりに話しを聞いていたのでしょうね、二階での戦闘に付いても。
開口一番、キュルケにそう問われた蒼い御主人様が、無言でコクリと首肯く事によって彼女の問いを肯定する。
……って言うか、そんなあっさりした答えで終わるほどの相手では無かったと思うのですが。
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