第八十一話 クワサンの謎
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をリヒカントの刃が切り裂いた。間一髪であった。
「見事です」
「まさかそう来るとはな」
キョウスケはその刃を見て言った。
「俺の攻撃をかわした直後にか」
「何が来るのかわかっていましたから」
抑揚のない声で語る。
「わかっていたら避けるのは簡単です」
「そうか。では俺も本気でやらせてもらう」
キョウスケの拳に力が入った。
「どの様な動きだろうとも」
アルトアイゼンを闘気が覆った。
「俺のこれはかわせるか」
身構えると激しい動きに入った。そしてそこから攻撃を繰り出す。
「!?」
アルフィミィはその動きを見て一瞬目を奪われた。
「その攻撃は」
「かわせはしまい」
「バルマーのどのマシンよりも」
攻撃が命中した。クレイモアがその胸を切り裂く。
「うっ・・・・・・」
「急所はかわしたか」
キョウスケはその傷を見て言った。
「俺の攻撃から急所を外したのは。御前がはじめてだ」
「シヴァー様よりも手強い」
「シヴァー!?」
その名を聞いたヴィレッタが声をあげる。
「あの娘、まさか」
「けれど私もここを退くわけにはいきません」
だがアルフィミィはそれでも戦場から離れようとはしなかった。
「それが私の仕事ですから」
「まだ戦うというのか」
「はい」
キョウスケの言葉にも澱みなく答える。
「ですから。来て下さい」
「わかった。では次で決める」
そしてまた攻撃に入ろうとする。だがここで戦場に一機の戦闘機が姿を現わした。
「あれは」
「アルフィミィ、もう下がりなさい」
それはゼーロンであった。それに乗っているのはロゼしかいなかった。
「副司令」
「マーグ司令からの伝達です。我が軍は既に安全な場所まで撤退しました。これ以上の戦闘は無意味とのことです」
「では私も下がっていいのですね」
「はい。その為にここに来ました」
ロゼは言う。
「貴女を迎えに」
「私を」
「司令が行かれると言ったのです。しかしここは私が来ました」
「そうだったんですか」
「さあ、戻りなさい」
ロゼは命令した。
「いいですね」
「わかりました。それでは皆さん」
ロンド=ベルの面々に対して挨拶をする。
「御機嫌ようです」
そして彼女は姿を消した。それを見届けたロゼも去る。それを以ってロンド=ベルとバルマーの戦いは終わったのであった。
「シヴァーか」
キョウスケはアルフィミィの言葉を口にしていた。
「バルマーの者かな」
「ええそうよ」
ヴィレッタがそれに答える。
「ヴィレッタ大尉」
「彼はバルマーの宰相にして十二支族ゴッツォ家の長」
「じゃあかなりの大物だな」
「そしてバルマーの一切を仕切る者。その彼が関わっているとなれば」
その鋭い美貌に陰が差していた。
「あのアルフィミィって娘には何か
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