第16話 初めての失敗と…
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そんな純吾の顔を見て、となのははどこか安心した様子で呟く。
「……そっか、私、ちゃんとやれてるんだね」
「ん…。なのは、ちゃんとやれてる」
「そっか、そっか……」
何度もうんうんと頷き、なのはは何事かを考える。やがて顔をあげ、純吾とユーノに向かって、ふにゃっと笑いながら話しかける。
「ねぇ、ユーノ君、純吾君。みんなが、頑張ってるって言ってくれたおかげで、心の中の整理が出来たよ。だから、ありがとう」
そこで「けどね」と一呼吸置き
「けどね、今までの私はやっぱりどこか甘えていたと思うの。ユーノ君の事をすごいって思って、そして手伝いたいって始めたジュエルシードの封印。けれどもそれは私の中では手伝いでしかなかった」
すぅっ、と深呼吸。
「だけども、これからは私がやりたいと思ったから、この街を守りたい、自分に出来る事を精一杯やりたいからジュエルシードの封印をしたいと思うの」
そこで不安そうな顔になり、少し逡巡をする。けれども、すぐにキッと顔をあげ
「だから…、だから、これからもなのはの事手伝ってくれないかな?」
瞳に強い意志を宿しながら、そう純吾達にお願いをした。
「勿論だよなのは! 僕からお願いした事なのに、手伝わないわけないじゃないか!」
あらん限りの声で答えるユーノ。
「ん…。街を守りたいのは、ジュンゴも一緒。なのは、こんごともよろしく」
そういつも通り、口下手で少しぶっきらぼうな言い方だが、たくさんの誠意を持って答える純吾。
そんな彼らの答えを聞き、誇らしげに答える顔を見て、なのはは分厚い雲の隙間から光が漏れだすように段々と不安な表情をやめ
「うんっ! これからもよろしくね!」
輝かんばかりの笑みで答えるのだった。
一方その頃、その様子を近くで見ている仲魔と言えば
「あの泥棒猫……。ジュンゴに頭を撫でてもらっただけだけでなく、更には頭を抱いてもらうですって? 優しくあやしてもらうですって?
あまつさえ、『こんごともよろしく』をジュンゴの側から言わせるですって……
キィィーーー! 妬ましい、妬ましいわ!? 私だってジュンゴにそんなことしてもらった事ないのにぃ〜〜〜〜!?!?!?!?」
何やら奇声を上げ始め、怒り心頭とばかりに髪をかきむしるリリーと
「ヒホ〜、滅多にしない事して疲れてるのにそんなキーキー声隣であげないでほしいホ」
「そうだホ……、おいらただでさえ自分の限界超えて力を使ったのに、こんなんじゃいっこーに休めれないホ」
そんなリリーの見苦しい嫉妬にあきれ顔のキングフロストと、ぐったりとしたジャックフロストの姿があったとか無かったとか。
その夜
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