第16話 初めての失敗と…
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ユーノが必死に答える。
彼女はつい先日まで全くの魔法の事を知らない一般人だった。そんな彼女が自分に協力してくれ、さらに今まで5個ものジュエルシードの封印に成功している。
そんな彼女に、自分がしてきたことだけは後悔してほしくはなかったのだ。
「でも、私最近どこかジュエルシードの封印を甘く見ていた気がするの。今までこんな事は無かったし、順調に封印する事もできていたから」
けれども続く言葉にユーノは返す事が出来なかった。それは、自分も感じていた事だから……
そうやって暗い顔をして俯いたなのはの頭に、ぽん、と手がおかれた。
「純吾君?」
「なのは。なのははすごいよ。えらい、えらい」
突然自分の頭に誰が手が置かれた事になのはは驚いた。
がその後すぐ、ぐわんぐわんと、「えらい」という言葉と共に若干乱暴気味に頭を撫でられ始めたことで、何か考えごとをする余裕が吹っ飛んでいった。
「にゃぁぁ…、頭がくらくらするから止めて〜」
頭を揺さぶられつつも、なのはは抗議をした。それを聞いて純吾は撫でるのを止めるが、どうしてやめないといけないんだろう? と、不思議そうな顔をなのはに向ける。
「……? 親方褒めるときは、こうしてたから。……じゃあ、こう?」
きゅっ。
「にゃ!!」
頭を撫でて褒めるのがお気に召さないと考えたのか、今度はリリーが純吾にするように頭を抱き寄せ、手を後頭部にやってぽんぽん、と赤ちゃんをあやすように優しくたたく。
いきなりの純吾の行動に顔を真っ赤にし、離れようともがくなのは。しかし、純吾はそんななのはに語って聞かせる様に声をかけるのだった。
「なのはは本当に、えらいよ。よし、よし」
「……ううん、違う。私はえらくなんかない。私がもっとちゃんとしてたら、もっともっといっぱい頑張ってたら、こんな事は起こらないはずだったの」
「ん〜ん。なのはは頑張ってる。いつもいつも、一生懸命」
ぽん、ぽん。
「でもっ! 頑張っても今日みたいな事があったら意味がないの!」
「ジュンゴは、なのはやユーノの使う魔法の事は分からない。けど、料理と同じ、初めてすることの難しさは、良く分かる。」
ぽん、ぽん。
「なのはは魔法を最近知ったばっかり。けど、いっぱいジュエルシード? 封印した」
なのはの頭を包んでいた手を離す。
純吾は「あっ…」と若干寂しげな声を出すなのはの顔を、いつもの眠たげに見える目を微笑むように細めて見つめた。
「だから、自信を持って。なのは、頑張ってる。ちゃんと成果もでてる、それはジュンゴも、ユーノも、すずかもアリサも見てる、知ってる」
大樹と対峙していた時とは違う、いつものような朴訥な雰囲気の純吾。
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