第16話 初めての失敗と…
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けた口から、思わず声が漏れてしまう。
「お、おっきな雪だるまさん……?」
降ってきたのは、ジャックフロストをこれでもかと大きくした雪だるまだった。
それが街全体を覆わんとする樹の、街を壊さんと今もなお根や枝を伸ばし続ける場所に、的確に上空から叩きつけられていった。
遠くから見ているなのはでも大きいと思ってしまうほど巨大な雪だるま。
それが無数に無慈悲に容赦なく、街にこれ以上の被害を出させまいと降ってくる様は圧巻を通り越してもはや呆然とするしかないような光景だ。
「けど、樹が伸びるのが今は止まっているの」
しかしなのはが言うとおり、雪だるまに抑えつけられた所にあった根はそれ以上動いて街を浸食する気配はない。
目線を、横で天に手を伸ばしている悪魔に向ける。
キングフロストの方はともかく、ジャックフロストの方はおぼつかない足どりで、それでも必死になって力を送り続けている。
早くジュエルシードの場所を特定しなければ、彼らがもたない。
「この時間を、絶対にむだにしちゃいけない……」
更に意識を集中させるなのは。
そうして探索魔法を行使し続け、ふいに彼女は大きく目を見開いた。
大樹の中心、太い幹の中にキーパーの少年と、マネージャーの女の子の姿を見つける事が出来たのだ。
「見つけた! 待ってて、すぐ封印するから」
「ここからじゃ無理だよ、近くにいかなきゃ!」
勢い込むなのはにユーノが注意を促す。今までの封印魔法を考えたら、その判断は妥当な判断だったが
「そんな暇ないの! レイジングハート、お願い!!」
『Sealing mode. Set up』
一秒でも時間の惜しいなのはは必死に願う。
それに答えるかのように、レイジングハートは新しい姿へと形を変え、先端にほど近い部分に光の翼を形成した。
「行って、捕まえて!!」
声と共に桜色の光線が伸びジュエルシードと、なのはをつなぐ。
「リリカルマジカル! ジュエルシードシリアルナンバー10……封印!!」
そして掛け声とともに放たれた光は一本の幹に突き刺さり
『Sealing』
レイジングハートの音声と共に、大樹を形成する核となったジュエルシードを封印したのだった。
「いろんな人に、迷惑かけちゃったね……」
そうぽつりとなのはが呟いたのは、ジュエルシードを封印した後の事である。既に封印した樹木は見当たらないが、それがもたらした街の惨状は残る。
時刻が夕暮れに差し掛かっている事もあり、翳り始めたボロボロの街並みはそのまま彼女の心を映しているかのようだった。
「そんなことないよ! なのはは、ちゃんとやってくれてるじゃないか!!」
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