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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#16 "to be the man,to beat the man"
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思いまでしたのに。レヴィが見てんのはアイツかよ。俺の"本気"はレヴィに届いてないのかよ。
俺は……
俺は………
Side ゼロ
「よう」
車のドアにもたれて待っていたら、レヴィが一人で戻ってきた。
彼女の後ろにはロックはついて来ていない。アイツ何か余計な事でも言ったかな。
「ほれ、返すぜ」
レヴィの背後の空間から彼女の顔に視線を戻すと、ベレッタを投げて寄越してきた。
黙ったまま左手で受け取りながら、心の中で呟く。
『全く、危ないな。いくら"弾が入ってない"とはいえ、銃は慎重に扱ってもらいたいものだ』
レヴィは一度俺を見てニヤリと笑うと、後部座席のドアを開けて乗り込んだ。
今回のは貸しだ、ってところか。事前に相談しておいても良かったかな……
ベレッタをズボンのポケットに押し込んで街の雑踏を眺める。
アイツはこの街に残る事を選んだ。自分の意志で。
だったら俺がどうこう言うべきじゃあない。この先に何を見る事になったとしても、 アイツならそれを受け止められるだろう。
………レヴィもいるしな。余計なお節介もここまでにした方がいいかもしれん。
アイツは"ロック"なんだ。
俺とは違う。誰かに守られなきゃいけない程、弱くはないはずだ。今まではどこか不安定だったが、もう大丈夫だろう。そろそろ俺も自分の事を考えていかないとな。
レヴィが歩いて来た方向に目を遣るが、ロックの姿はまだ見えない。
なら、待つだけだ。アイツが来るまでな。
俺は待ち続けた。ロックが来るまで。俺にはそれしか出来なかったから………
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