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八条学園怪異譚
第四話 ターニングポイントその十
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 聖花はこの話題については顔を曇らせて述べた。
「いじめってあるからね」
「いじめられて自殺とか?」
「昔の軍でもあったらしいからね。上官の部下へのいじめが」
 階級社会故に起こることだ。階級は軍の形成に必要であるがそれを悪用する形でそうしたことをする輩もいるのだ。
「あったみたいだから。それもかなり」
「多かったのね」
「いじめってね」
 聖花はこのうえなく苦々しい顔になり言った。
「嫌よね。本当に」
「うん。それは」
 いじめられたことがあるだけに余計にだった。愛実もその話題については顔を強張らせてこう返した。
「私も。絶対に」
「それを苦にして死んだ人か」
 若しくはだと。聖花はさらに言う。
「敗戦で自害した人か」
「あっ、そういう人も多かったわよね」
「そう。どちらにしてもね」
「そういう恨みとかを飲んで死んだ人かも知れないのね」
「そうした人のところに一人で行くのはね」
 どうかとだ。聖花は愛実にあらためて述べた。
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