暁 〜小説投稿サイト〜
その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#14 "qualification of hero or heroine"
[4/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
な。
悔しかったよ。どうしていいか分からなかったよ。
自分が何にも持ってない無力な奴なんだって事を思いしらされたよ。
だからお前らに会えて嬉しかったんだ。本当に嬉しかった。
それに、救われた。
俺はお前らに救われたんだよ。
命が助かったってだけじゃない。
俺みたいな奴の提案もちゃんと聞いてくれて、それが終われば仲間に誘ってくれた。
名前も貰った。命も貰った。居場所も貰った。
俺は未だ生きてていいんだって思えた。
何にも持ってないつもりだったけど。何もかも失くしたつもりだったけど、そうじゃないんだって。
何かが欲しいなら行動すりゃあいい。自分の足を動かして、手を使って、頭を働かせて、愚痴なんか言う前に、まずやってみりゃあ良いんだって。
他人がどうするかじゃねえ。自分がどうするかだ。
自分の人生なんだ。誰かに助けて貰おうなんて虫が良すぎる。それを教えてもらったんだよ、お前らに」
ヤバいくらいに身体中が熱い。脳味噌ん中にガンガン血が流れ込むのを感じる。喉がヒリつくように痛い。足がガクガク震え出す。背中に汗で濡れたシャツが張り付く。
今すぐ着てるものを全部脱ぎ捨てたい。
そんな衝動を感じながら俺は話を続けた。不気味な程に黙りこくって、汗一つかいていない彼女に向けて。俺の言葉が届いている事を信じながら。
「だから俺はお前に憧れた。
正直に言う。格好いいと思ったよ。到底自分じゃ敵わないって思ったよ。
絶対に自分じゃ届かないところにいるんだって。
物語の主役っていうのはこんな奴の事を 言うんだろうなって、そう思ったよ。
そう思ってたよ。
でも、何だよ?
お前の口から出るのって何だよ?
金の話か、愚痴か、脅しだけじゃねえかよ。
一方的にお前に憧れた俺が悪いのか?勝手に人を英雄視した俺が悪いのか?
また、せせら笑うのか。
そんなのは世間を知らねえ甘ちゃんの泣き言だって。
現実を見ようとしてねえ苦労知らずの日本人が語る与太話だって。
笑うなら笑えよ。殴りたきゃ殴れよ。
テメエはそうする事しか出来ねえんだ。そうしてなきゃ不安で不安で堪らねえんだ。
いつだって誰かを馬鹿にしてたいんだろ。自分よりコイツは弱いんだって思わねえとやっていけないんだろ。
そうやって少しでも自分が強いんだって。他人なんざ羨ましくないって思いたいんだろ。
格好悪いよ。お前、格好悪いよ!
テメエの方がよっぽどガキじゃねえか。俺はもう御免だ。ガキのお守りなんてやってられるか!
レヴィ、好きに生きろよ。好きに生きていけよ。お前の人生だ。お前の好きなようにやれよ。
地べた這いずりまわんのも、ドブにまみれんのも、高い空眺めんのも、何だってお前の好きなように………」
「んじゃ、そうするわ」
………見えなかった。
本
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ