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八条学園怪異譚
第一話 湧き出てきたものその十二
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「嘘よ。そんなことを言ったらね」
「そんなことをって?」
「聖花ちゃんなんかモデルよ」
 そうした奇麗さだというのだ。聖花は。
「それもトップモデルよ。私なんかよりずと奇麗じゃない」
「そうかしら」
「そうよ。そんなこと言わないでよ」
 困った顔になってさえしてだ。聖花に言う。
「何か私、それじゃあ」
「それじゃあって?」
「慰められてるだけだから」
「別に慰めてなんか」
「いいの、とにかくね」
 聖花の言葉を遮ってだ。愛実は言った。
「私はそんなのいらないから」
「慰めとかは?」
「ほら、やっぱり慰めじゃない」
 その曇った顔でだ。愛実は聖花にまた言った。
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