第一話 湧き出てきたものその六
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に行くつもりなの」
「何で?」
「えっ、何でって?」
「聖花ちゃん弁護士さんになるのよね」
心から戸惑い、動揺を覚えながらだ。愛実は聖花に問うた。
「それで何で商業科なの?普通科じゃないの?」
「いや、確かにそうだけれど」
「弁護士さんになるのよね」
「うん。大学は法学部を受けるつもりだけれど」
だがだというのだ。
「それでもお家はパン屋さんだから」
「商業科にするの?」
「そのつもりなの。弁護士さんでもパン屋にいていいじゃない」
聖花はくすりと笑って愛実にこう話した。
「そうでしょ?いたら駄目ってことはないよね」
「それはそうだけれど」
「だから。高校はね」
「商業科にするの」
「受けるよ、そこをね」
「じゃあ。若しかしたら」
「高校でも一緒ね」
明るい笑顔でだ。聖花は愛実に言った。
「そうなったらいいね」
「う、うん」
自分より背の高い聖花に言われてだ。愛実は。
縮こまってしまった。そのうえで答えたのだ。
今彼女はほっとしていた。聖花と高校でも一緒にいられると思って。
だがそれと共にわずわらしさも感じていた。しかしそうした感情は表には出さなかった。
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