第十二話 首なし馬その九
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「それが悪いんじゃ」
「自覚はしている」
鬼自身もそうだった。
「しかしワインは美味いし身体にもいいぞ」
「だから飲むのね」
「日本酒は糖尿病、ビールは痛風になるぞ」
「人間みたいなこと言うわね」
「実際妖怪も成人病になるからな」
実に夢のない言葉だった。妖怪になっても病気からは逃れられないというのだ。
「気をつけないとな」
「ううん、痛風で苦しむ鬼って」
「実は一度痛風になったことがある」
赤鬼は自分の右足の親指の付け根を見た、痛風になるとまずはそこが痛くなるからである。
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