第3章 白き浮遊島(うきしま)
第27話 ティンダロスの猟犬
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んが騎士道を歩んでいる人間の為す行為では有りません。
「そして、あの時、何故、俺にワルドの二つ名を告げて行ったかを考えたら、今、オマエさんがやるべき事が見えて来ると思うけどな」
ルイズが才人に対してどう言っているか判らない……。いや、何となく、素直じゃない感じがする彼女の事ですから、どう考えても正直な自らの想いを口にする事はおろか、態度に表せる事さえないでしょうね。
それでも、ルイズはまだ判り易いタイプだと思いますよ。キュルケや、俺の御主人様に比べたら。
そう才人に語り掛けながら数歩そのまま進み、俺は才人に見えるように、室内に設えられたテーブルの上に一枚の呪符と、そして、ひとつの石……ターコイズを置いた。
「それは?」
才人が少し興味を示したようにそう聞いて来る。
そもそも、中世ヨーロッパの貴族を知らな過ぎますよ、才人くん。十六歳で婚約者がいる事ぐらい当たり前。娘は政治の道具。家同士の結びつきを作る為に存在している物。
そこに、ルイズの意志など、ほとんど存在していない可能性だって存在しています。
「呪符の方は、一度だけ魔法を反射出来る魔法が籠められている。使い方は簡単。自らの身体に貼るだけで術が発動するように出来ている。但し、反射出来るのは一度だけ。使いドコロを間違えたら、何の役にも立たない呪符と言う事に成る」
多分、普通の相手なら、あの肉体強化を駆使したら負けないと思います。敵が高レベルの魔法使いの場合でも、彼にドワーフの能力を付与されていると仮定すると、人間に比べると高い魔法防御が有るでしょう。
しかし、それでも尚、魔法を操る敵は脅威です。
但し、この呪符で反射出来る魔法はたった一度。もし、探知魔法のような無害の魔法を掛けられたとしても自動的に反射して仕舞う為に、使いドコロを誤ると無意味に浪費して仕舞う事にも成りかねない魔法でも有ります。
強力な故に、使いドコロの難しい魔法が籠められた呪符と言う事ですか。
「ターコイズの方は……お守りや。間違っても、ルイズにプレゼントする為にオマエさんに渡す訳やないで」
尚、ここまで言っても判らないのなら仕方がないのですが……。
このターコイズは俺の気を通して、龍の属性を付与して有る龍の護符と言う代物。
本来なら、サファイアの方が属性を付与し易いのですが、まぁ、一度や二度でダメになってしまうと言う代物でも有りません。それなりに実戦に使用出来る物です。
まして、ターコイズは戦士の守護石。宝石自体が持っている意味からも、才人を護る護符としては相応しいでしょう。
「後はオマエさん次第やで、才人」
そもそも、こんなトコロに才人が居る事の方がおかしいと俺は思いますから
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