とある一夏の物語
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決戦当日、一夏、箒、本音、切嗣の4人は千冬とIS格納庫にいた。
「自信を持て、一夏。この1週間で大分強くなっ……ては無いがましになった」
「おいおい、決戦前でそのジョークは笑えないぞ、箒」
「……」
「何故そこで黙る!?」
これより、織斑一夏はイギリスの代表候補生、セシリア・オルコットと戦うことになる……
「不具合は無いか、一夏?」
「大丈夫だ、千冬姉」
装備したISの拳を握りしめ確かな感触を確かめる。
「一夏、あまり張りつめるないように……」
「切嗣……そうは言っても、腕が」
見ると一夏の腕は震えていた。
無理もない。何の下準備も無く、イギリスの代表候補生に挑もうというのだ。怯えもする……
「しょうがないな……一夏、これを」
そんな一夏を見かねて、切嗣は懐からお面を取り出した。
「これは?」
「うん、ただのお面なんだけど、着けると自信に満ち溢れてくる不思議なお面なんだ」
「ん、サンキュな切嗣」
そう言うと、一夏は躊躇わずそのお面を付けた。すると、彼の震えは一瞬にして収まった。
「……フフ」
「オリムー?」
……収まったのだが、少し様子がおかしくなった。
「フハハハハ!」
「い、一夏!?」
訂正。少しでは無い。一夏が壊れた。良く見てみると、そのお面は笑ったように目を細めたどくろのものだった。
「大丈夫だ、例え相手がセシリア・オルコットでも恐るまでもない」
「ち、千冬さん?」
何故か、自分の弟を煽る千冬。
「うう、こんなに認められたのは初めてだ……」
しからばごめん!と言い残すと一夏は走ってアリーナに向かっていった。
――――――――
「心が軽い!もはや我に一片の迷い無し!」
待機所からアリーナに至るまでの道、一夏の精神は高揚していた。
「トウ!」
……少なくとも、骸骨の仮面を被り、満面の笑顔でセシリアに向かって行く程度には。
「キャアアアアア!?」
そのあまりの変態ぶりに、何の前口上もなくセシリアはビームライフルを撃ち放った。
「他愛無し」
しかしそれをヒラリと交わす一夏。
「ブルー・ティアーズ!」
涙目になりながら何の躊躇いもなく、切札を解き放つ。
しかしそれすらも……
「他愛無し……他愛無し、他愛無し!!」
紙一重でかわしきっていた。
「フフ、フハハハハ!!全て避けきりましたぞセシリア殿!」
「殿!?」
「さあ、貴殿がこのドラグーンを展開している間は動けないのは確認済み!大人しく首を……」
「甘いですわね!ブルー・ティアーズは6機ありますのよ!」
「な、何だと……!」
一夏が間合いを詰めきったときを見計らい、待機状態にあったブルー・ティアーズを全て展開するセシリア。
「くらいなさい!!」
「あれを、恐る必要が無い……だと!?」
襲いかかる閃光。
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