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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第十五話 流れゆく年とSS級クエスト
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久方ぶりの相手に興奮が隠しきれず、口元が三日月形へと変わる。大剣の柄を強く握りしめ前傾姿勢から一気に相手に突撃を掛ける。がしかし、相手は威風堂々とその場に佇み何の防御体勢も取っていない。その絶対の自信を打ち崩す!

「――ッッ」

 だが、相手の頭部に向かって振るった魔剣から返ったきた反応は硬い鱗を少し凹ませただけであり、己が手に残る感触は痺れだった。相手が人間のように口元を歪ませ嘲笑って見えたのは俺の気のせいではないだろう。先の攻撃に対してカウンターを仕掛けなかったのは余裕の表れか。だとしたら

「――殺すッ!!」

 遠距離からのDBによる攻撃でもダメージは与えられるだろうが、この手で殺さなければ気がすまなかった。デカログスを瞬時に変化させる。ただ今までと異なるのはこの魔剣で唯一の双剣であること。

 第5の剣であり双竜の剣【ブルー=クリムソン】炎と氷の属性を持った二つの剣。炎と冷気による遠隔攻撃も可能で、2つを組み合わせることで多彩な攻撃ができる。

 高密度の炎と冷気を魔剣に付加させ再び接近する。さすがに危機感を感じたのか八つある尾で俺の攻撃を防ぎながら攻撃もする。その尾からは毒々しい液体が分泌しており一撃必殺を思わせる。

 八対二の攻防。普通ならば圧倒的不利だがそこは今まで培った勘と身体能力で補いながら相手の攻撃を捌く。四方八方から繰り出される連撃に時には避け、時には捌き対処する。掠りでもすれば得体の知れない毒が身体を駆け巡る。こいつが俺の知識にない奴もしくは新種である以上、持っている毒が遅効性か即効性かもわからないため掠り傷すらも受けるわけにはいかない。

 その緊張感ゆえか自身でも信じられないほど集中しており、現在進行形で成長していることが手に取るように分かる。これだから戦いは止められない。しかしこのままでは埒があかない。さて、どうするかと考えているとき相手の口が光を帯びていることに気がつく。

「しまッ――」

 相手の口から発射された光線は真っ直ぐに俺へと向かってきた。咄嗟にデカログスをしまい両手を向かってくる光線へと突き出す。無論諦めたわけではない。発動させるは最上級のさらにもう一ランク上のDB。六星の名を与えられた強力なDBの内の一つ。

「六星DB【ユグドラシル】」

 樹の六星DB。全ての力を吸収し触れた相手を樹に変え、さらに様々な植物を自在に出現させ操ることが出来る。名前の由来は北欧神話の大樹ユグドラシル。今はその吸収の力だけを借りる。放たれた光線は俺の掌に吸収されるように吸い込まれ消えていく。使用できるようになったばかりの六星DBなため不安があったが、見事成功した。

 そして相手の眼を見れば動揺していることがわかる。魔物と言っても人間と同じように考える生き物だ。特に強い奴ほ
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