フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
Period1―安らかな休息
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夜。
キリトは電脳化した茅場晶彦に『世界の種子』――シュリンク版カーディナルを使った簡易VRゲーム製作パッケージを授かった。
キリトは迷ったあげくそれを世界中のサーバーにアップロードし、誰でも使えるようにした。
それにより、消える寸前だったフルダイブゲームというジャンルは生き永らえ、現在は幾つかのサーバーでそれらは運営されている。
茅場の意図は分からない。彼がVRワールドに何を望んでその世界の存続を願うのか。
Dicey cafeの戸を開けると割れんばかりの歓声と拍手が鳴り響き、思考は中断された。
「――おいおい、俺達遅刻はしてないぞ」
「……人をパシっといて先にお楽しみとは……」
和人が呆気に取られたような顔をして言う。
螢は少し不機嫌そうな顔をしてカウンターに荷物を置きに行く。ご苦労さん、と労ったエギルが続けて言う。
「そう言うなって。主役は後から登場するもんだからな。お前に買い出しを頼んだのはそれだ」
勝手に主役にされてるのは不本意だが、今さらあれこれ言ってもしょうがないので諦めるとする。
遅まきながら開催された《アインクラッド攻略記念パーティー》は大いに盛り上がり、皆はよく笑っていた。
「ま……何はともあれ……」
ようやく一息つけそうだ……。
俺はエギルが出してきたアルコール0.5%のジュースをチビチビやりながらそれを眺めていた。
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新成ALO、イグドラシルシティ中央部
後10分もすれば夜11時だ。
(……しかし、まあ……)
その時に起こる現象を想像し、苦笑する。
俺はALOを新しく運営する《ユーミル》にカーディナル制御権を《The Traitor》を消去した後、完全に委託した。
もう一つの分身である『レイ』も消去――は流石に憚れたので、パラメーターを封印することで手を打った。
和人がキリトのデータを初期化したと聞いたときには負けた感が凄まじかったが。
「……お兄様」
振り返ると、沙良……いや、セラが闇夜に佇んでいた。
「ありがとうな、セラ。キリトをあそこまで連れてきてくれて」
「いえ、私も、楽しかったですし……」
微妙に表情を動かし、微笑む彼女は美しかった。
「お兄様、この刀ですが……」
「そいつはお前のもんだ。大事に使ってくれ」
今やセラのメインアームとなっているムラサメは暗闇の中でも強く、その存在を主張していた。
沙良はあの日以来、暇さえあれば道場に足を運
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