フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
Period1―安らかな休息
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ね。SAOに出向く前に君が出した条件――医療用フルダイブ機、《メディキュボイド》の設計図は君の家に送っておいたよ。……いったい何に使うんだい?」
「……あんたには関係ない」
冷たく言い放ったが、俺の内心は小躍りしていた。
「いいけどね、別に……。で、本題なんだけど……」
菊岡が書類ケースから取り出したのは何かの承諾書やら申込用紙。説明が書いてあるのだろう、少し分厚めのパンフレットを手に取ったとき、俺は菊岡の意図を察した。
「これ、俺に渡したのか?それともサンプル?」
「サンプルなのは間違いないけど、君に渡したんだよ。当然」
「……何時からだ?」
苦笑しつつも嬉しそうに言う俺に菊岡が驚きの声をあげる。
「おお!?意外に乗り気だね。新年度、4月からだよ」
パンフレットには《10代SAO被害者のための学校案内》とあった……。
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3ヶ月後、
最近は随分と暖かくなり、学校のブレザーも少し暑くなってきたころだ。
もともと寒さについては多少の耐性がある俺は学校指定のセーターを着て過ごしている。
「やれやれ……」
適当に聞き流していた現国の授業も終わり、ようやく待望の昼食だ。
手早く辺りの私物を片付けて立ち上がる。
腐れ縁なのか同じクラスの和人共に食堂に行こうと、そちらに足を向けて、やめる。
そう言えば今日はリズ――篠崎里香の機嫌が悪くなる日だ。
楽しい筈の昼食が鬱になるのは週3日、とはいえ足が重くなるのも無理は無いだろう。
(……早く行かんと余計機嫌悪いしな)
そして主にそのストレスの捌け口となるのは俺やシリカ――綾野珪子なのだ。
だが、バリバリと頭を掻きながら食堂に向かうその姿はどこか楽しげだった。
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「あーあー、独り身って寂しいわね……」
「年寄りくさいぞ、里香……」
パックジュースをズズズ、と吸い上げながらサラダを意味もなくフォークでグサグサと刺す。
珪子が顔をしかめて注意するが、里香はどこ吹く風だ。
「よお、いいか?ここ」
そう言って俺のに話し掛けて来たのは金髪のイケメン、レオンだ。
「里香、こいつも独り身だ。どうだ?」
「………保留」
「オイコラ。人をネタにしたあげくにすげなくあしらうな」
ぶつぶつ言いながら座ったレオンはカレーうどんをずるずるやりはじめるが、居心地が悪そうだ。
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