フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
Period1―安らかな休息
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れてはいけない気がした。
数歩進んだそこで立ち止まり、螢の冷えた左腕を掴むと、引っ張って入り口へ歩いていく。
「……お、おい!キリト、何のつもり……」
「キリトじゃない。俺は桐ヶ谷和人だ」
「……悪い。和人、何の……」
「ここでお前と別れたら、またどこか行くだろ」
「………………」
「アスナも絶対、お前に会いたがってる。お前の言えないことも、俺は受け入れるし、アスナも受け入れてくれる」
「………………」
「俺達、仲間だろ」
「そう、か」
雪はしんしんと降っていたが、手を引かれる少年の手はどこか暖かだった。
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Side螢
俺は病室のすぐ外の壁に背を預けていた。
今、中ではキリト――和人と明日奈が再会を喜びあっていることだろう。今は2人だけの時間だ。邪魔者は引っ込んでよう。
どれぐらい経っただろうか、不意に、「螢」と呼ぶ和人の声が聞こえた。
しばらく迷った末に、俺はそっと扉を開ける。
中には当然、2つの人影。
ベットに座った美しい少女とその脇で穏やかに笑う、黒髪の少年。
「レイ、君……」
「お帰り、アスナ」
こうして、長きに渡った《SAO事件》は終了し、穏やかな日常が始まった。
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翌日、
無駄に豪華絢爛な廊下の真ん中を堂々と歩きながら待ち人達がふんぞり返ってるだろう部屋の前にやってくる。
「……お兄様、相変わらずそうで何よりです」
「ありがと、沙良」
「嫌みですけど……って、このやり取りもうやりましたよ」
「生憎、覚えてない」
例のごとく礼儀の一切無い様子で扉を開け、中に入ると自分の上司、そして菊岡が居た。
「……何やってんだ。メガネ」
「ひ、酷い言いようだね……メガネって呼ばれたのは学生時代以来だよ……」
いきなりしょげる菊岡を無視し、上司に向かって報告を告げる。
「先んじて差し上げた報告書通り、元SAOプレイヤー約300人の奪還及び、首謀者を確保。当局に引き渡しました」
形だけの口頭報告を形だけの態度で終了する。
「ご苦労だった水城隊長。この件の事後報告は随時しよう。さて……掛けたまえ。菊岡君から話がある」
菊岡がいる時点で身構えてはいたが、どうやら嫌な予感は当たるものだ。
「コホン、まずは報告
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