フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
Period1―安らかな休息
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」
「お前は《害悪》。則ち、排除の対象だ」
仰向けに倒れた須郷の体を踏みつけ、低く、冷徹な声を浴びせる。
「300人もの人間の命を自分の欲望のために利用し、あまつさえそれらを弄んだ。それだけで赦しがたい」
レイは足を退けるとしゃがみ込んで須郷の襟を掴み上げる。
「ましてやお前は俺の友に手をあげ、終いには傷つけた」
今、レイの顔はどうなっているのか。想像するのも恐ろしい。
「ひ……あ……」
背中からも伝わる凄まじい怒気。それを至近距離で浴びせられた須郷は目を開いたまま失神した。
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「おーおー。恐いのー。格下相手に本気出しすぎ〜」
「黙らっしゃい」
成り行きを(楽しそうに)見守っていた若い男が螢をからかう。
頬と右腕の応急手当を初老の男性から受けた俺はお礼を言って立ち上がった。螢の方を見て、口を開きかけたその時、後ろから見知らぬ男が螢に襲いかかった。
「………!!螢――」
危ない!!、と言う前に螢は反転すると左手をかざしてそれを防ごうとする。
が、男の手に握られているのは須郷が持っていたような大ぶりのナイフ。
それが螢の左手に吸い込まれ、腕まで切り付けながら皮膚を切り裂き、鮮血が飛び散る―――ことはなかった。
ガキィン、と代わりに金属音が響く。だが、別に螢は何も持っていない。ただ左手でナイフを受け止めているだけだ。
ナイフは皮膚を確かに切り裂いている。しかし、血は流れていない。
代わりに切り裂かれた上着と皮膚の隙間から見えるのは金属の光沢。
「螢様は左肩より下を失っております」
俺の驚きを察したのか、脇に居た初老の男性が声を発した。
「ジュラルミンにクロム鍍金を施した義肢。皮膚は人工皮革で、比較的本物の同様にに作られていますが……」
「やっぱ元の腕とは違うみたいだな……」
若い方の男が言葉を引き継いで説明が終わった頃には螢は暴漢を取り押さえていた。
呻き声をあげるが動けないところを見ると、意識が混濁しているのか……。
「……精神操作をされているようだな。まぁ、研究が未完成なお陰で治療すれば治りそうだ」
螢が切り裂かれた皮膚をビリビリ破きながらこっちにやって来た。その光景に俺が顔をしかめると、螢はハッ、として腕を隠す。
「さ……行けよ、キリト。お姫様が待ってるぞ」
「………ああ」
螢は少し、寂しそうに俺を急かす。
何故か彼とここで別
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