暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
第十三話 若き聖十大魔道ジークレイン&ウルティアの思惑
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
れなかったな」

「弱すぎたのよ。いや、彼が強すぎたのかもしれないけどね。どちらにしろこんな結果になるなんて分かりきったことじゃない」

 そう、あの闇ギルドにモンスターを渡したのはこの二人の仕業だった。エルザがS級に昇格したと聞きつけS級のそれも討伐系の依頼料の良いものをフェアリーテイルだけに幾つか依頼書を出していた。エルザのS級初依頼をルシアが同行するであろうことは予め予測はついていたし、それも討伐系ならより受けてくれることは過去の彼の実績から見れば簡単に予想できた。

 そしてあの時ルシアが感じた気配はジークレインたちの魔法による監視の視線だったのだ。ただエルザが単独であのモンスターを倒せるほどの実力があったのは誤算だったみたいだが。


「しかしあれが金髪の悪魔か。いざ目の前にすると凄まじい闇の力だな。……正直何故フェアリーテイルに所属してるのか分からん」

「……それについては同感ね、あそこに闇は似合わない。それに最後に放った殺気も身震いがしたわ。金髪の悪魔ね…言い得て妙じゃない。ピッタリな二つ名」

「しかし、だからこそあのお方の隣に立つに相応しい人物だとは思わないか? あれほどの闇の力とカリスマ性だ。闇を束ねるのに十分すぎる素質だろう。あの塔にいた死にぞこないが言ってたのは本当のことだったな。……ルシア・レアグローブか、素晴らしいお方だ」

 そこに浮かぶ表情はあの日、ルシアに殺されかけ恐怖しながらも崇拝していた黒魔導士と似た表情をジークレインは浮かべていた。打ち震えるほどの歓喜。闇に染まった者の歓喜の表情など禍々しいものだ。

 隣にいたウルティアも先程の殺気に恐怖しながらもジークレインと同じように打ち震え、頬を染めてルシアが去った方向を見つめていた。しかしそれは仕方のないことだろう。闇に染まった者がルシアの闇の大きさと闇の者にだけ分かるカリスマ性を間近で見ることが出来たのだから。

 それほどルシアの闇は凄まじいものがある。闇とは負の力であり、それに飲み込まれることは絶対である。それを制御するなど本来ありえないことなのだ。ただ一点、そればかりに目を置いてしまうためこの二人は気がつかなかった。


 ルシアの闇がまったく邪悪ではないことを。この二人がそれに気づいたのは一筋の光が彼らを正しい道へと導いたときであった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ