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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第3話 親子のカタチ
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い。と、考えていました」

 その可能性は、今は限りなく低くなっています。

「確かにあの時の話だけ聞けば、そう思うかもしれん。しかし私がこの秘薬を購入したのは、王宮の中だ。当然、秘薬搬入を厳しくチェックする監査役が居るし、仕入れ・搬入の伝票も確り残っている。また王宮に出入りするには、一定以上の地位を持つ貴族の紹介状が複数必要だ。問題が起これば、その貴族の顔を潰す事になる」

 確かに可能性は、限りなく低いです。だからこそ思ったのです。可能性は低いですが、決して0では無いのです。父上は軍人です。物事を“素早く効率良く”片づけなければならない立場の人間です。当然、可能性の高いものに執着するでしょう。しかし今欲しいのは、0か100かの断定です。

「父上。可能性は確かに低いです。しかし、今欲しいのは“クロならクロ”“シロならシロ”という断定です」

 父上は少し考えてから、口を開きました。

「……分かった。秘薬の成分を鑑定しよう。ただし、秘薬の事は私とシルフィアでは分からん。信用おける者……そうだな、モンモランシ伯にでもお願いするとしよう」

「ありがとうございます。……それからマギの知識は、ゲルマニアよりもかなり進んだ知識が多数含まれています。この領地の為、ぜひ活用したいと考えています。しかし異端審問が怖いので、マギの事はロバ・アル・カリイエ出身で私の恩師にして、父上か母上の知人と言う事にしてください。その上で適当な所で、故人としていただければ良いかと思います」

 父上が「他には?」と聞いてきたので、いいえと返事を返しました。父上はマジックアイテムの解除をする為、私に背中を向けました。

「今回は残念ながら、空振りの可能性が高い。だが私達を慮って、勇気を出して告白してくれた事嬉しく思う」

「あ……。ハイ!!」

 父上の言葉は、私にとって本当に嬉しい物でした。本当に、全て話せて良かったです。今回伝えるべき事は、全て伝える事が出来ました。

 だからでしょう。緊張の糸が、プツリと切れました。同時に私の意識は、暗転したのです。 



 目が覚めると目に飛び込んできたのは、見慣れた天井でした。父上が運んでくれたのでしょうか? 私は周りを確認する為、首を動かしました。

 布が擦れる音で、私が目覚めたのに気付いたのでしょう。父上が、こちらに来ます。

「目が覚めたか? 私も少し仮眠をとって、今はお茶を楽しんでいた所だ」

 見るとテーブルの上に、お菓子と紅茶が出てます。そう言えば、お腹がすいたな。……あれ? 母上は如何したんだろう? 使用人が居るから喋れないですね。

「母さんはアナスタシアの所に行っているぞ」

 私が目線をさまよわせると、先回りするかのように父上が答えてくれます。

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