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SAO−−鼠と鴉と撫子と
23,役者は舞台へと
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で顔を覆った。

ほぼ貸切の店の中、どろんと停滞した時間がキリト・俺・アスナ・アルゴの四人の間を流れていく。
クラインや、斧使いのエギルも来たがっていた。
だが、目の前の細剣使いに「お二人は情報伝達をしっかりとお願いします。噂話で変なことが回らないようにしてください」と頼まれ、しぶしぶ引き下がってくれた。

彼のギルドメンバーを引き連れ、火消しに奔走してくれている。

古びた定食屋にはお似合いの雰囲気だが、今はもう少し明るい雰囲気の空間が欲しかった。
といってもそんな都合のいい場所は、寂れているのがトレードマークのこの町にあるわけもないが。

やや、あってアスナは顔を上げた。整った美しい顔立ちには、残念なことに深い皺が入っていた。

「……ひとまず、状況を整理しましょう。クロウさんとアルゴさんは罠解除スキルを使って、罠を看破していったんですよね?」

「ああ、そうだ。追加Modのおかげで罠は看破していったんだけど……って罠解除の《罠看破》Modってわかるか?」
素直に首をふるアスナに向かって、俺は長ったらしい説明をするべく、再び口を開いた。

――《罠解除》スキルは名前の通り罠を解除するスキルだ。
罠解除のスキルを発動し、罠がありそうな場所に手で触れる。
罠解除スキルの熟練度といくつかのステータス数値の演算結果が規定値に達していれば解除ができ、達していなければ罠が発動する。
初期のスキルではこれだけしか出来ないが、追加Modをとることで出来ることは倍々に増えていく。

その一つが、罠の看破能力だ。

通常であれば、罠があるかどうかはプレイヤーの主観、つまりは色・感触・音の変化で判断するしかない。
が、このModは視線を定めて、数秒間見つめるだけで罠を看破できるという少々どころではないバランスブレイクな性能を持っていて、これにより視界に入る全てのトラップを探知可能なのだ。

とここまで説明したところでこのスキルには一つだけ、明確な矛盾点が存在する。
Modを取るためには罠を解除するしかないが、Modがないとそもそも罠すら見つけられないのだ。

罠は再湧出しない為、一度しか解除できない。
誰かが見つけて解除した罠を定期的に皆で解除なんてことが出来ない以上、罠を解除する為には未踏破地区――最前線か攻略組が手をつけていないサブダンジョンに潜るしかない。
だが、初めて入るマップの中で巧妙に隠された間違い探しなど見つけられるわけもなく、偶発的に見つけた罠つき宝箱を開けるだけでは熟練度は全く足りやしない。

MMOはプレイヤーによる経験値の奪い合いだ。
それを確保できない罠解除スキルが地雷スキルとして避けられるようになったのはそう昔の話ではない。

これがシステム上の未修整のバグなのか、それともデ
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