第二章「クルセイド編」
第二十二話「一夜明け」
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糸で殆ど一瞬でぐるぐる巻きにしてエレギオは連行されていく。流石に持ち上げるような腕力は小柄な少女、アズリアには無い様で引きずって連行しているのだがかえって痛々しい。階段などの段差を通るたびに低い呻き声を挙げている。アレは痛いだろう。ジャックは友人の冥福を祈って十字を切った。
だが天は何処までも皮肉屋だ。
「……は?」
いつの間にかジャックまでも梱包されている。本当に何時、どのタイミングだったか全く判別できない。刹那、神速、神業、絶技、そんな言葉を幾千並べても語れないような技。全くもって理解できない。
「え、おいおい。チョット待ってくれ。コレはどう言う事だ」
何とか解こうとする、だがその糸はエドワードの手術並の正確さで体の間接と言う間接を封じ込めている。幾らもがいてもビクともしない。そして次の瞬間には対次元世界最高金額賞金首専用最終兵器はドンッ! と言う効果音が付きそうなほど堂々とした仁王立ちを繰り広げていた。
「あ、アズリアさん? コレはどう言う事なのでしょうか?
わたくしめにもわかるように説明をして頂きたいのですが?」
本能が警鐘を鳴らす。いつもとは口調が明らかに変化しているのもそれが理由だろう。全身から流れ出る冷や汗も無関係ではあるまい。
「……………………」
「あ、あのー無言は止めていただけたら……ほ、ほら。人間話し合いが大事だと思うんですよ!」
「……………………」
「も、もしもーし……?」
「…………貴方達は自分がどれ位の間孤児院を空けてたと思ってるんですか?」
「あー、それには。そう!! フカーイ訳が有ってですね」
「言い訳は聞きたく無いです」
「え、チョット!? ストップ! その体勢で引っ張らないで!
アンタは対エレギオであって俺は含まれてないだろう!? え!?
これって俺人生最大クラスのピンチじゃね!? おーい!!!!!!
誰かぁ助けてくれええええええええええええええええええええええええええええエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエええええええええぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
他人だけに降りかかっていた不幸が突然自分に降りかかる。
その結果がこう言う事なのだ。ジャックの願い空し
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