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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第二十二話「一夜明け」
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起こしてやろうと思ったのにお前って奴は人の善意を……」

とかなんだとか言いながらリオンとエドワードは二人並んで洗面台の前で顔を洗ったり歯を磨いたりしていた。仲の良い父子……には残念ながら見えない。余りにも似てない。
戦闘要員ではないが結構鍛えているため身体能力が並の人間より高かったエドワードは辛うじて背負い投げ自体は受身を取って衝撃を和らげていたがリオンはそこに容赦なく体重をかけて腕を取って組み伏せたのである。背中と腕には言い様もない痛みが走っていた。

「お前あんな体術も使えたのな」

「人並みには、な」

他愛もない話をしつつエドワードとリオンは二人並んで居住スペース、分かりやすく言うとリビングルームに向かって行った。ちなみにリオンはあの王国客員剣士の衣装から黒い『お前の世界は俺が壊した』と言う台詞と幸薄そうで2000万ガルドもの借金を抱えてそうでトマトを使った料理が上手(うま)そうな青年の顔が書かれたTシャツを着ている。ただエレギオからのお下がり(本人はそうと知らない)なのでリオンには少し……いや結構大きかった。

「そう言えばフェイトは?」

服のぶかぶかさが少し気になるようで眉をひそめつつリオンはそうエドワードに言った。対してエドワードは一瞬だけ顔を曇らせた。

「まだ目覚めねえな……。麻酔もお前より断然強いのを使ったし。お昼頃になるだろ」

「そうか……」

「なぁに。手術は間違いなく成功してる。大丈夫だ、直ぐに目を覚ます」

だから心配するな、そう言ってエドワードはリオンの肩を軽く叩いた。
リオンは思わず立ち止まる。あの年頃の男からあんな風に接されるのは考えてみれば初めてかもしれない。勿論仲間だった者達を除けば、の話だが。その事にリオンは妙なくすぐったさを感じた。

もっとも。

「な、何で僕がわざわざアイツの心配なんか……!」

口先と内心が一致しないのもまた、リオン・マグナスと言う少年なのだが。

−−−−−−−−

らいふぼとるをつかった。

えれぎおはふっかつした!



「ふぁばふぅ……」

「いや……何語だよ?」

漸くタマシイ的な何かを虫取り網担いだ二人の活躍によってお口に戻さされたエレギオは再起動した。ただしバグまみれだが。現に付き合いの長いジャックでも今のエレギオの言葉は解読できない。

「おーい。お前大丈夫か?」

「ふぁい。ふぁいふょうふふゃふゃふぁいふぉ」

「あーあー。駄目だこりゃ」

とは言え再起動は再起動。
次元世界最高金額賞金首(エレギオ・ツァーライト)専用最終兵器はその使命に基づき動き出す。

「エレギオさん、孤児院行きますよ」

……もはやイジメの領域に達していると言えるが。ダンボールを梱包する
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