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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第十一話
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ャが身を乗り出す。
「一時的に休戦としましょう。今はこのイタリカの市民を守るのが先決です」
伊丹はピニャにそう言った。
「有りがたいッ!! それで貴官らに死守してもらいたい場所だが……」
ピニャは嬉しそうに伊丹に指示を出す。そして死守する門は南門だった。南門は一度破られており修復は困難な状況だった。
そこで敵も南門を攻めるだろうから城門と城壁での第一防衛線と内側の柵で防ぐ第二防衛線をとピニャは考えていた。
明らかに城門が突破される事を前提に戦術を構築していた。
「ピニャ代表」
そこへ樹が口を開いた。
「何だ?」
「もし、敵が南門からではなく他の門から来た場合は直ぐに伝令で我々に伝えて下さい。若しくは我々で移動の判断をします」
「南門から来るはずだが……」
「敵とてそれを読んでいる可能性はあります。戦には常識は通用しない」
樹はピニャにそう言った。
「……分かった、此方からも伝令は送るが独自で動いても構わない」
ピニャはそう判断をした。ピニャの言葉に樹は無言で頭を下げるのであった。
「せっかく姫様が思案した作戦を少し変更するなんて……」
伊丹達が退出した後、ピニャの傍らにいたハミルトンが作戦を若干変更させた樹に対してそう批判した。
「……仕方なかろうハミルトン。彼等もイタリカの市民を助けてくれるのだ。あまり文句を言うな」
ピニャはハミルトンの頭を冷静にさせる。
「ですが……」
「そうだ、ハミルトン」
ピニャは思い付いたかのように手を叩いた。
「彼等にも食事を提供するから彼等の様子を見てきてくれ。本当に彼等は強いのかどうかをな」
「わ、私がですかッ!?」
ピニャの要望にハミルトンは驚いた。
「なぁに、食事を渡してどんなのかを見るだけだ」
「はぁ……」
ハミルトンは反論したかったが相手は姫であるので結局は首を縦に頷き、夕食用の食事をメイド数人と共に南門へと向かったのである。
「古田、軽機関銃は此処」
「東、小銃は此処」
南門では伊丹が防衛のために陣地の構築をさせていた。
「ねぇ? 敵のはずの帝国にどうして味方しようとしているのかしらぁ?」
作業を見ていたロゥリィが樹に聞いた。
「……街の住人を守るためや」
樹の言葉にロゥリィは苦笑する。
「本気で言っているのぉ?」
「……そういう事になってる筈だが?」
「私はぁあの女は気に入らないわぁ。出ていってやろうかと思ったわよぉ」
「成る程な、どうりで機嫌が悪いと思った」
樹はその時のロゥリィを思い出しつつ、樹は栗山から受け取った日章旗の手拭いを鉄帽
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