空白期(無印〜A's)
第二十六話 裏 (翔子、カロ、なのは、テロリスト)
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るかに越えた球体ができたからだ。
―――集束魔法。
彼のような魔力を持っていない人間さえも、その魔力の密度が人知を超えている事が分かり、肌でビリビリと感じる。テロリストの中にもいる魔導師を見てみれば、ありえないものを見るような目で、ぽかんとしていた。現実を否定すらしていそうだ。
やがて、準備が整ったのだろう。その間、男の周りは誰も動かない。動いても無駄だと分かったからだ。刷り込まれたからだ。阿鼻叫喚の地獄は、それを知らしめるには十分だった。そして、彼女の最後の行動は、間違いなく総仕上げだろう。
「恐怖を刻み込め――――スターライトブレイカー」
その声が、男には怨嗟の声のように刻み込まれた。
◇ ◇ ◇
高町なのははまどろみの中、頭に温かさを感じた。うっすらと目を明けてみると、そこには病院服を着た翔太の姿が。
翔太は微笑んでいた。なのはが好きな笑みだ。頭から感じるのは翔太の手の平だろうか。おそらく頭を撫でてくれているのだろう。それが気持ちよかった。まるで猫のように目を細めて、その温もりを感じてしまう。
「なのはちゃん、お疲れさま」
―――うん、私頑張ったよ。
それは声にはならない。眠すぎて、あまりに心地よすぎて。だが、なのはは満足していた。
翔太が笑ってくれて、自分の傍にいてくれて、褒めてくれて、なのはを見てくれて、名前を呼んでくれるのだから。
―――高町なのはは、間違いなく幸せだった。
空白期終わり
A's編へ続く
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