空白期(無印〜A's)
第二十六話 転
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なのはちゃんの魔力がばれてから、少しざわめいた教室を逃げ出すように僕たちは、教室を飛び出して、クロノさんたちが待っているであろうカフェテリアへと向かっていた。教室から出て行くときにいくつかの好奇の視線を感じたが、それはあえて無視するような形になってしまった。
仕方あるまい。僕にはどう反応して良いのか分からなかったのだから。なのはちゃんがすごいのは分かっていたが、ここまで認識のずれがあるとは思っていなかった。なぜなら、クロノさんたちとあまりにも態度が異なるからだ。クロノさんたちの態度から鑑みれば、彼らの態度は大げさとしかいえなかったのだから。
どういうことかよく分からないが、とりあえず、クロノさんに問う必要はあるだろう。
そんなことを考えながら、僕たちはクロノさんたちと待ち合わせをしていたカフェテリアに到着した。カフェテリアはオープンスペースもあるらしく、そこで僕たちよりも先に到着したのであろうクロノさんと恭也さんが、コーヒーと思われる飲み物を手にオープンスペースの一角に座っていた。おそらく、僕たちに見つかりやすくするためだろうが、たとえ店内であっても、二人の真っ黒な服装は、見つけやすかったのではないか、と思っている。
彼らも僕たちが来たことに気づいたのだろう。コーヒーを飲む手を止めて、こっちに来いといわんばかりに手招きをする。
「意外に早かったね」
「今日は午後からの実技のために魔力測定をやったから、少しだけ早かったんですよ」
「ああ、そういえば、そんなこともやるんだったか」
僕がクロノさんたちが座っているテーブルに備え付けられた四脚の椅子のうちの一つに座りながら、多少の非難も含めた声色で言うが、肝心のクロノさんは、少し考え込んだ後にようやく思い出した、といわんばかりの表情をして納得したように頷いていた。
せっかく招いてくれたクロノさんにあまり非難めいたことを言いたくはないが、やはり直接言わなければならないのだろうか。あるいは、動揺しないということは、なにかクロノさんに思惑があったのだろうか。しかし、どちらにしても確かめるためには、直接聞かなければならないだろう。
「あの……クロノさん、一つ聞きたい事があるんですけど」
「ん? なにか、問題でもあったのかい?」
「その……どうして、なのはちゃんのこと伝えておいてくれなかったんですか?」
少なくともクロノさんが係員の人たちになのはちゃんの魔力のことを伝えておけば、あそこまで大仰なことにはならなかったはずだ。何らかの対応を期待したわけではないが、あそこまで動揺することもなかっただろう。僕たちが奇異の視線に晒されたのは、やはり、教官たちの動揺があったからだろう。なのはちゃんの測定が複数回にわたって行われたり、教官が
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