空白期(無印〜A's)
第二十六話 転
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ともある。
そう考えて、彼らに背を向けた僕は、今度はなのはちゃんたち、女の子のほうへ様子を見るために歩き出した。
ある程度、近づいてみると奇妙な光景が視界に入ってくる。
固まって、何か様子を見ている女の子のグループとそれを少し離れたところからじっと見ているなのはちゃんだ。構図だけみれば、対立して、一触即発のようにも見えるが、空気はまったくそんな様子はない。むしろ、なのはちゃんと女の子達の様子は困惑といった空気だった。
「なのはちゃん、どうしたの?」
「あ、ショウくん……」
僕が話しかけるとなのはちゃんは、どこか気落ちしような表情をしていた。本当にどうしたんだろうか?
「ねえ、もしかして、あなた達って、管理外世界から来た魔力ランクSの子?」
なのはちゃんが何も語ってくれずにどうしたものだろうか? と途方にくれているところで、女の子たちのグループの一人が僕に話しかけてくれた。しかも、僕たちのことを少しは知っているらしい。
「そうだよ。Sランクなのは、僕じゃなくて、なのはちゃんだけどね」
「それは知っているよ。あの時、私達もいたからね。それよりも、何か用があるの? その子、さっきからこっちを見てるんだけど、何も言ってこないから気になってるんだけど……」
彼女の言葉を聞いて、少しだけピンときた。もしかして、なのはちゃんは、彼女達に話しかけようとして、どうしていいのか分からなかったのかな? だから、じっと見つめるだけになってしまった。いきなり、一人にするにはハードルが高すぎたかもしれない。同性で、話の種もあるものだから、容易いと思っていたけど、どうやら、それもなのはちゃんには難しいらしい。
なら、最初は、僕が橋渡しになるしかないか……。
「ああ、うん。僕たちは、もう少しだけだけど、魔法が使えるからね。よかったら、魔力の使い方のコツ見たいのを教えようと思ってね」
「え、本当? 私達もどうやっていいのか分からないから困っていたのよね」
彼女の救われた、というような笑みを見て、少しだけ安心した。もしかしたら、あの男の子たちのように拒否される可能性もあったのだから。それにしても、やっぱり教官の言い方では、魔力の扱いなんて分からないのだろう。もしも、毎回、こんな風に講義が進んでいるんだとすると、よく毎回無事に終わっているものだと思う。もしかしたら、もう少し時間が経てば、あるいは、明日には別の方法を提示するのかもしれないが。
彼女の話を聞いていたのだろう。残りの三人も僕たちの近くに寄ってきた。
「それじゃ、さっそく、魔力の使い方を教えようかな」
なのはちゃんにこの場を任せようかな、とも思ったが、先ほどの様子から考えれば、無謀だと思い、僕から話を始めること
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