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リリカルってなんですか?
空白期(無印〜A's)
第二十六話 転
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定するように首を横に振った。

 それを見て、イスカ教官は、大きくため息を吐いた。そこに込められた感情を僕が理解することはできない。

「君達の状況は理解したよ。しかし、参ったな。申し訳ないが、君達のレベルは今回の講習の実技レベルを超えているんだ。魔力ランク的に考えて、一番上のクラスと言っても講習期間内に君達のレベルになるのは不可能だろう。だから、私としては、君達に実技の免除を言い渡す事ができるが、どうする?」

 クロノさんに講義を受けてくれ、といわれた矢先からこれだ。しかし、困ったことに僕たちは、午後の授業を免除されたとしても、やることがない。この世界に来た目的は魔法世界について学ぶことだ。君達はレベルが高いから、講習はいいよ、といわれてもやることがない。ならば―――

「ここで、魔法の練習をしても構いませんか?」

「ああ、構わないよ。その代わり、と言っては何だが、もしよければ、他の子たちに魔力の使い方を教えてもらえるとありがたい。本来は、私達の仕事なんだがね。この講習は人数が足りないんだ」

 そういって辺りを見渡す。大体、他のグループでも教官に当たる人間は、一人だ。多いところでも二人。このグループは二桁に満たないからいいものの、他のクラスは二桁を軽く上回る人数がいるのだ。教官が一人や二人では上手く回らないだろう。

「分かりました。といっても、僕たちも素人同然なので、教えられるとは思いませんが」

 そもそも、僕たちの世界は魔法という概念すらない世界だ。そんな僕たちが魔法世界の住人である彼らに魔法について教えられるとは到底思えないのだが。

「いや、最初の魔力の感覚を掴むのは、理論というよりも直感に近いものがあるからね。君達が感じたことで構わないよ」

 それだけ言うと、イスカ教官は他のグループに教えるためだろう。別の場所へ向けて歩き始めた。

 さて、残された僕たちだが、教官から許可は貰っているから、ここで練習をしても構わないのだろう。しかしながら、一応は頼まれたこともある。他の子たちの様子を見ることだ。おそらく、教えられることなんて殆どないだろうが、それでも、頼まれたこともあって、何もしないというのも気がとがめる。とりあえず、一度だけでも話しかけることぐらいはしておくべきだろう。

「なのはちゃん、僕は男の子のグループを見に行くから、なのはちゃんは女の子のグループのほうに行ってくれないかな?」

 僕たちのグループでは、総勢が九人で、七人が4人の女の子と3人の男の子のグループに分かれているのだ。彼らはいずれも同年代のように見えるため、あまり性別は関係ないだろうが、それでもとっつきやすさはあるだろう。少なくとも女の子の方に僕だけで行くよりもいいはずだ。

「いいかな?」

 何かを考え込
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