空白期(無印〜A's)
第二十六話 転
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に、クロノさんはその答えを提示する。
「さっきも言ったけど、海の主な任務は、ジュエルシードのような次元世界に散らばったロストロギア事件や次元世界を跨いだ事件だ。ジュエルシードのようなロストロギアを魔力ランクの低い魔導師が封印できると思うかい?」
「あ!」
そうだ。だからこそ、ユーノくんは、ジュエルシードを封印できなかった。正確には、ユーノくんには、暴走したジュエルシードを封印できるほどに魔力が戻っていなかった。だからこそ、僕となのはちゃんに助けを求めたのだ。
「だからこそ、海には魔力が高い魔導師が集まるんだ。海の場合、翔太くんぐらいの魔力ランクAといえば、武装隊隊長クラスだ。そして、前線のエース級となれば、有名な魔導師になれば、Sクラスだっている。一方、陸は、武装隊隊長クラスでも平均魔力ランクBぐらいだ。そして、前線で活躍するエース級としても、魔力ランクAAぐらいが普通になる」
「で、でも、そうだとすると治安維持活動に支障がでませんか?」
ありていに言ってしまえば、陸―――このミッドチルダの警察は魔力ランクが低い魔導師ばかりとなる。ならば、もしも、犯罪者で強い魔導師が現れた場合はどうなるのだろうか?
そして、僕は地雷を踏んでしまったのか、僕の一言で、クロノさんの表情が氷のように固まってしまった。
「……確かにミッドチルダの検挙率はお世辞にも良いとはいえない。もちろん、ミッドチルダの治安を蔑ろにしたいわけではないさ。ただ、時空管理局の設立理念は、次元世界の平和だ。陸に戦力を回して、海に戦力が足りませんという話になれば、本末転倒だ。それに、海の任務の場合、手遅れになると次元世界が一つや二つ消えてもおかしくない事件もある。その場合の被害者の総数は―――想像したくもないな」
やるせない表情で言うクロノさん。
なるほど、大体の状況は理解できた。つまり、簡単に言うと人手不足なのだ。戦力が偏っているんじゃない。偏らせざるを得ないといったところだろうか。
海の任務は、それでこそなのはちゃんのような魔力ランクをもつ魔導師を多数必要とする。稼働率は、陸に戦力を回す余裕がないということろから想像したとしても、たぶん、百パーセントを超えているのかもしれない。しかも、失敗すれば、地球が丸々一つ消えてしまうような事態なのだろう。
だからこそ、回したくても回せない。被害の規模が桁違いだから。どちらに重きをおくか、といわれれば、世界が一つか二つ消えるのとミッドチルダという一世界の治安維持を比べるまでもないだろう。だからこそ、陸の魔力ランクの平均が低いのだろう。
これは、多分、魔法世界の弊害なのだろう。
僕たちの世界が使っているような―――こちらの世界で言うような質量兵器は、誰でも使える利点
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