空白期(無印〜A's)
第二十六話 転
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いる。どうやら、興味をそそられるものがあったらしい。
まさか、ミッドチルダに盆栽があるとは夢にも思わなかったが。
待ち合わせ場所と時間を決めて、今は自由時間だ。僕たちは真っ先に行きたいという店舗もなかったため、一つ一つを見回っていた。そんな中で、なのはちゃんがある店舗で足を止めた。
そこは地球でいうなら雑貨屋というべきだろうか。小さなアクセサリーなどが所狭しとならんでいる。可愛い小物なんかも並んでおり、なのはちゃんも女の子なんだな、と思えた。
「ちょっと、見て行こうか」
なのはちゃんが興味があるなら、構わない。僕だって、別に行きたいところがあるわけではないのだから。僕の誘いになのはちゃんは、コクリと頷いて、僕たちは店内に入った。
所狭しと並ぶアクセサリーや小物を見ながら、ここなら良いんじゃないか? と不意に思った。何に? といわれれば、アリサちゃんとすずかちゃんのお土産に、と答えただろう。彼女達とは、ここに来る前に遊ぶ約束を打診されたが、今回の旅行のために断わっていた。そのお詫びではないが、お土産の一つを持って帰るのも礼儀だろう。
もっとも、魔法世界のものを不用意に持って帰るわけにはいかない。しかし、ここで選んだものなら問題ないだろう。魔法がかかっているわけではない。しかも、やはり文化が異なるのか、デザインもあまり地球で見ないものだ。しかし、奇抜というわけではなく、可愛らしいものから洒落たものまである。残念ながら、こちらの通貨は持っていないので、クロノさんから貰った小遣いになってしまうが、そこは仕方ないと割り切るしかないだろう。
そう考えると僕は、しばし足を止めて、お土産を考えた。温泉旅行のときは、別々にプレゼントしたが、今回は、同じものを贈ろうと思った。二人は親友と言える仲だし、女の子だから、『おそろい』というもので盛り上がったりできるだろう。僕にはいまいちわからない感性だったが。
「これなら、いいかな?」
僕が選んだのは、温泉旅行のときのような首からさげるアクセサリー。無難といえば、無難かもしれないが、奇抜なものを選んで引かれるよりもましだろう。お土産は、適当で喜んでもらえるものに限る。
僕は、同じデザインのものを手に取ると会計に向かう。だが、その途中で、不意に視界に入ったものが気になった。
「これは―――」
僕は、買うものにそれを加えて会計を済ませた。
「お待たせ」
「ううん、大丈夫だよ」
僕は会計の間、外で待ってもらっていたなのはちゃんに声をかけた。右手に買ったばかりのアクセサリーが入った紙袋を持って。
「何を買ったの?」
「お土産だよ。アリサちゃんとすずかちゃんにね」
右手で、それを見せるように振ってみせる。確か
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