空白期(無印〜A's)
第二十六話 転
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魔力値を見て驚いたり、それで余計に注目を集めてしまった。
僕の問いを聞いたクロノさんは、少し考え込むように顎に手をやって、やや目を瞑る。おそらく、僕が言った意図を考えているのだろう。やがて、何か合点がいったのか、不意に目を開くと、納得したように、ああ、と声を上げた。
「そうか……すまない。今回の担当は、『陸』だったことを失念していたよ」
クロノさんはそうやって謝ってくれるものの、陸という単語の意味が分からなかったため、どうして謝罪されたのかいまいち理解する事ができなかった。僕がクロノさんが言っていることを理解できないと判断してくれたのか、クロノさんは、ゆっくりと事情を説明してくれた。
「まず最初に説明すると、僕が所属している時空管理局という組織は、主に二つに分けられるんだ。一つは、僕が所属している時空管理局の本局、通称、『海』と呼ばれる部署だね。主な任務は、この間のときのようなロストロギアの封印、処理とか次元世界の犯罪の取り締まりなんかだね」
それに加えて、追加で説明してくれたのは、本局が『海』と呼ばれる所以だった。僕が搭乗したこともある時限航行艦アースラ。あれは、次元の海を泳ぐためのものであり、次元空間を海と見立てて、時空管理局の本局は海と呼ばれるらしい。
「次に、今回、君達の講習を受け持ってくれている部署である時空管理局ミッドチルダ地上本部、通称、『陸』だ。主な任務は、ミッドチルダの治安を守ることだと思ってくれればいい」
つまり、日本でいうところの警察に近いのだろう。ミッドチルダでおきた犯罪を一手に担っているのだから、おおむね間違いではないはずだ。
なるほど、クロノさんが言うところの『海』と『陸』という単語の意味は理解できた。しかしながら、どうしてそれがなのはちゃんの魔力がばれて大事になることに繋がるのだろうか。クロノさんの言い方では、クロノさんが所属する『海』だったら問題ないように聞こえる。
おそらく、その転についてもクロノさんは話してくれるのだろう、と期待して黙っていると、その期待に応えてか、クロノさんは、確信となる部分について話し始めた。
「ここで、なのはさんの魔力クラスがどうして問題になるか、というと、だ。海の平均魔力クラスのほうが陸の平均魔力クラスよりも高いからなんだ」
「え? 同じじゃないんですか?」
名前としては、同じ時空管理局だ。それなのに戦力が偏るように配置するとは思えない。もちろん、海のほうが少数精鋭というのであれば、話は分かるが、次元世界―――それでこそ、僕たちのような世界までカバーしているとなれば、その人数はむしろ、陸といわれる世界一つ分よりも多くなければカバーできないだろう。
「もちろん、それには理由がある」
僕の疑問に答えるよう
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