空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
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」
アリサが、よくよく考えてみれば、翔太からプレゼントを貰ったのは初めてだ。いや、誕生日会などでプレゼントを貰ったこともあるが、それはケーキやクッキーといった食べ物などの形に残るものではなく、今回のアクセサリーのように形に残るようなものをプレゼントされたのは初めてだった。
アリサが嬉しそうにプレゼントされたアクセサリーを掲げながら、梓は興味津々と言った様子でそのアクセサリーを見つめる。その表情は、ニヤニヤと何かをからかうように笑っている。
「ほぉ〜、プレゼントされたのは、アリサだけ?」
「え? ううん、すずかも一緒だったけど」
突然の質問に訳が分からず、素直にアリサがそのように答えると、なぁ〜んだ、と言って、ふっ、と興味をまったく失ってしまったようにアクセサリーから視線を外していた。
「アリサだけじゃないのね」
若干、残念という色を含んで梓が呟くように言う。それは、もしも翔太がアリサだけにプレゼントしたというのであれば、それは好意の表れで、アリサが最近悩んでいた『恋』というものに繋がると思っていたからだ。
そんな梓の考えも分からず、アリサは、翔太がすずかとアリサにプレゼントするのが、どうして残念なのだろうか? と思ってしまった。アリサにとってアリサとすずかと翔太の仲がいいのは、喜ぶべきことで残念がることではないというのに。
そんなことを考えていると不意に、梓があっ、と何かを思い出したような声を上げた。何事だろうか? とアリサが少し顔を上げると心配そうな表情をして梓が尋ねてきた。
「そういえば、アリサ、旅行の最終日の夜、翔太くんと一緒に散歩に行ったらしいけど、何かあったの?」
それは梓が帰り道、すずかから聞いたことを覚えていたためだろう。もっとも、アリサは寝ていたためその事実を知らないが。不意に聞かれた質問にアリサは困った。梓としては、わざわざ外に出たのだから何かイベントがあったとか、星を見るスポットがあったとか、それを二人で見に行ったとか、そういう話を期待していたかもしれない。
しかし、アリサの脳裏に浮かんだのは、あの場面だけだった。思い出す僅かなでこの痛み。元々、外国の文化を家庭にもっているアリサだ。年齢のことも、恋愛という成熟しきっていない心では理解できない感情を相まって、キスという行為に対して恥ずかしいという感情を抱かないアリサはことの重大さに気づかず、あっさりとその日のことを口にした。
「ショウにチュウしてみない? って言ったわよ」
「ふ〜………ん? ぶっ!! げほっ、げほっ」
最初は軽く流そうとしていた梓だったが、途中からことの重大さに気づいたのか、アリサがいつも見ている格好いい梓とは違っていた。飲んでいたものが、気管に入ってしまったのか咳き
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