空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
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ユーノと呼ぶようになったし、パスも回してくれるようになっていた。
そもそも、ユーノは遺跡の発掘で、体力や腕力などは同世代の子どもと比べてはるかに発達しているほうだ。そのため、少し慣れれば、ユーノは長い間、サッカーで遊んでいる子どもよりも戦力になっていた。
それになによりおも、ユーノの明晰な頭脳は、サッカーの本質を理解しつつあった。
―――なるほど、陣取りゲームに近いのかな?
要するにサッカーとは、いかに誰にも邪魔されずにボールをゴールまで運ぶか、ということが命題だ。それに関していうなれば、ユーノはほぼ、天才的だった。数手先を読むということだ。流れが読めれば、何所に来るかが分かっていれば、ユーノがノーマークでボールを受け取ることは容易い。
結局、三時間ほど走り回った結果、ユーノは三点を得点するというハットトリックを達成して、またね、と一緒に遊んだ子ども達に惜しまれるようにして聖祥大付属小学校のグラウンドを後にした。
「どうだった? 楽しかった?」
海鳴の町の由来にもなっている海に沈む夕日が彼らを照らす中、海岸沿いをユーノと一緒に隣を歩いていた翔太が聞いてきた。
「うん、そうだね。楽しかったよ」
よくよく考えれば、あんなふうに体を動かすことが久しぶりだったように思える。最近は、本を読む事が殆どだったから。少しだけ体力が落ちていることも今日のことで少しだけ分かった。スクライア一族に帰れば、おそらくまた発掘の日々が始まるというのに。このままでは、足手まといになってしまうかもしれない、と危惧したユーノは、明日からクロノたちが使っているトレーニングルームを使わせてもらおうと心に誓った。
「それに―――うん、あの子達の相手をするのも楽しかった」
―――スクライア一族に戻ったようで、という言葉はユーノの胸の中でこっそりと呟かれた。
スクライア一族というのは、発掘の一族で、主な産業は遺跡から発掘された品物による売買だ。ロストロギアを時空管理局に売ることもある。その発掘の主な人員は当然、若い男ということになる。昼間、男は発掘へ、女は家事に追われるのがスクライア一族だ。ならば、子どもの世話は? というと、子どもがやるのが一般的だった。
今日のサッカーにおいて、小さい子から大きい子まで入り混じって遊ぶ姿は否応なしにユーノにスクライア一族でのことを思い出させるのに十分だったということである。軽いホームシックのようなものである。
少しだけ垣間見せたユーノの寂しそうな表情に気づいたのか気づいていないのか、翔太は、ユーノの楽しかった、という言葉を聞くと、ただ、よかった、と呟くのだった。
◇ ◇ ◇
アリサ・バニングスは、とても機嫌が良さそうな様子で
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