空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
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と思ったのだ。
突然の質問。だが、忍は慌てる様子もなく、今まで楽しく笑っていた表情を潜めて、面白いものを見つけたような笑みを浮かべるとすずかの質問に答えた。
「そうね、あるわよ」
「―――っ! じゃ、じゃあ」
「あなたがそんなこと聞くなんて珍しいわね。何かあったの?」
やっぱり、と思って、続きを問おうと思ったすずかだったが、先手を打ってきたのは忍だった。尋ねられてすずかは悩む。正直に言うべきかどうか。すずかとしては、できるだけ隠したかった。しかし、物事を正確に伝えなければ、すずかが知りたいことも知れないかもしれない。そう考えると悩む。
しかし、結局、これ以上、悩むということに耐えることは考えられず、すずかは意を決して忍にすべてを話すことにした。忍の表情にからかうような表情を見出す事ができずに。
「―――なるほどね」
すずかから話を聞いた忍はそういうと、残っていた紅茶をすべて飲み干すようにカップを傾けて、テーブルの上に空になったカップを置く。すずかも、ずっと話していたため乾いてしまった喉を潤すために紅茶を口にする。思ったよりも長時間話していたのか、暖かかった紅茶は、すでにぬるくなってしまっていた。
「それで、あなたはどうしたいの?」
「え?」
「だから、あなたは結局、アリサちゃんと翔太君の関係を知って、どうしたいの? 翔太くんと仲良くなりたいの? それとも」
そこで言葉を切ると忍はすずかを試すようにまっすぐと見つめて、少し間をおいて続きを口にする。
「アリサちゃんと翔太くんが付き合っているから、あなたは距離を置くの?」
「それは……」
すずかはただ、分からない事が不安だった。あの夜の事が不安だったのだ。なぜ、不安だったのか。その答えは、忍がすでに出していた。つまり、すずかは怖かったのだ。アリサと翔太が恋仲であることで、すずかが翔太から距離を置かなければならないという事が。
今までの努力が水の泡になるから、というわけではない。彼は、翔太はすずかにとって初めての人だからだ。夜の一族であることを知りながらも受け入れてくれた。もしかしたら、もう一生、すずかの前には姿を現さないかもしれないほど稀有な人だ。だから、すずかはもっと仲良くなりたかった。たとえ、アリサという恋仲になるというほどに仲のいい女の子がいたとしても。
「私は―――」
「ああ、言わなくてもいいわ。大体分かったから」
答えを口にしようとしたのだが、それを忍の手によって止められる。そんな分かりやすい顔をしていただろうか? と思うすずかだったが、思い悩んでいたのは事実だ。ならば、表情に出ていてもおかしくないか、と思うことにした。
「それにしても……まあ、意外でもなかったけど、す
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