空白期(無印〜A's)
第二十四話 (蔵元家、幼馴染、男友人、担任)
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を突っ込む事が多い。何か問題があれば、西に東に。隼人であれば、しょせん他人事だし、面倒だから放っておくのだが、翔太はいちいち、首を突っ込み、何とか円満に解決しようとする。殆どの場合は、翔太が仲介することで問題が解決している。そんな光景を担任も見ているのか、翔太への信頼が高い。
そんな風に面倒を見て、担任にも信頼が高いせいか、クラス内の翔太の評価は高い。ただし、そんな風に仲介することや、担任に気に入られることに反感を持つものもおり、前者を親翔太派とすると反翔太派も見られる。
男子においては、親翔太派と反翔太派の割合は、七対三ぐらいだ。ゴールデンウィーク前は、サッカーなどが好きな外で遊ぶ組のなかで、翔太があまりサッカーにでなくなったのをいいことに反翔太派が、扇動することで、割合を六対四ぐらいにしていたが、それも三日天下に近い。結局は元の鞘に戻るように割合も戻っていた。
ちなみに、反翔太派になる理由としては、真面目な態度が気に食わない、というヤツと翔太が比較的まだ女子と仲が言いことを揶揄して、それが気に入らない連中とが大半だ。
隼人自身は、親翔太派よりではあるが、何かあれば、味方をしてもいいか、ぐらいである。もっとも、隼人の幼馴染の三人は、親翔太派と呼んでもいい。
駒を並べながら、少し視線を避けてみると机の上でカードゲームを広げている隼人の幼馴染たち。本来なら、カードゲームなどの遊び道具は、もって来てはいけないはずで、見つかれば没収となるのが学校の規則だったが、一度、見つかったときに翔太が庇い、さらに、カードゲームの利点―――戦略などを考えて、柔軟な発想が……などと言っていたような―――などを訴え、さらには将棋やオセロが許可されていることと絡めて、いくつかのルールを整備することで認めさせたことがある。
それ以来、彼らは翔太に全幅の信頼を置いているといっても良いだろう。
一方、女子のほうは、というと隼人にはよく分からない。傍から見ただけではよく分からないからだ。翔太が昼休みに女子のグループを渡り歩くと彼を邪険にするところはない。しかしながら、それでも、翔太に陰口を叩いている女子もいるものだから、おそろしいものだ。昼休みには、笑顔で一緒にお弁当を食べていたというのに。放課後、偶然忘れ物を取りに返ってきたとき、残っていた女子が話していたのを聞いて、もしかして、自分と話しているときも内心は、と思うと女子が怖くなった隼人だった。
「それじゃ、もう一局、打とうか」
すっかり将棋版の上に並び終えた駒の中で、先ほどの勝ちに気をよくしているのか、笑いながらパチンと『歩』を動かす。それに隼人は無言で相対する。翔太の『歩』に対して『飛車』を動かす。次は、翔太がパチン、隼人がパチンと時間を置くことなく次々と駒を動かして
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