第七十五話 アイザム、死す
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程度の問題であるが。
「日本で最近テロ事件が頻発しております」
「テロ事件」
「はい。街中で突如として爆発が起こるのです。それで大勢の犠牲者が出ているそうです」
「無差別テロか」
「おそらくは。何者の仕業かまではわかりませんが」
「ミケーネじゃないんですかね」
それを聞いたバーニィが言う。
「ちょっと違うんじゃないかしら」
だがクリスがそれに異議を示した。
「違うかな」
「ほら。ミケーネはもっと直接的な攻撃を好むから。それに暗黒大将軍も七大将軍もそうしたことは嫌いだし」
「そうだな。彼等はそんなことをする位なら名乗り出て攻めて来る」
コウもそれに同意した。
「あしゅら男爵やブロッケン伯爵だってそうだったし」
「リヒテルでもないよなあ」
「彼がそんなことをする筈もないしな」
バーニィノ言葉に今度はコウが答えた。
「ティターンズやネオ=ジオンは離れ過ぎているか」
「それに彼等ともどうも毛色が違う」
「じゃあ一体」
「詳しいことがわからないのが余計に怖いですね」
「それがテロだからな」
コウはクリスにも答えた。
「これも調査していくか」
「そうだな、ウラキ中尉の言う通りだ」
シナプスもそれに頷いた。
「作戦と並行してな」
「はい」
彼等の戦いはただ戦場にいるだけではなかった。多くの障害が立ちはだかっていたのだ。そしてこのテロが後に大きな事件を引き起こすことを彼等はまだわかってはいなかった。
敗北したバーム軍は小バームにまで逃れていた。リヒテルはそこでオルバンに謁見していた。
金髪の濃い髭を生やした男である。顔はいかめしいがそこには何故か卑しさも感じられた。濁った目の持ち主であった。
「閣下、もう一度」
リヒテルは彼の前に片膝をつき言う。
「私にチャンスを」
「黙れ!」
だが彼はそれを認めなかった。
「貴様は負けたのだ!わしの期待を裏切ってよくもそんなことが言えるな!」
「そこを何とか!」
リヒテルはすがるようにして言った。
「アイザムの仇を討ち、そして汚名を雪ぐ為にも!」
「ならぬと言っておる!」
しかしオルバンはそれをあくまで認めようとはしなかった。
「貴様はこの小バームにおいて謹慎を命じる!」
「そんな!」
「不服だというのか!」
オルバンはリヒテルを見下ろして言った。
「バームの指導者であるわしに対して!」
「それは!」
「ゲロイヤー参謀!」
「はっ」
卑しい顔の小男が出て来た。
「こいつを連れて行け!わしの目の前から消せ!よいな!」
「おおせのままに。さあリヒテルよ」
左右に控える兵士達に彼を押さえさせる。
「来るがいい」
「おのれゲロイヤー!」
リヒテルはその怒りをゲロイヤーに向けてきた。
「この恨み忘れぬぞ!」
「黙れ、さっさと行け!」
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