第七十三話 バルマー司令官マーグ
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「それが。あの二人を引き裂いている」
「敵と味方に」
「けれどよ」
ここでイサムは言った。
「何か応援したくはねえか?」
「えっ!?」
「一矢の奴をよ。何て言うかな」
彼は恥ずかしそうな苦笑いを浮かべつつ話した。
「難しい恋ならなおさら実現させて欲しいじゃないか」
「障害を乗り越えて」
「ああ。そしてその先にあるやつをあいつには掴んで欲しいんだよ」
「イサムも一矢君が心配なのね」
「心配っつったらそうだな」
ミスティの言葉にも素直に返す。
「見ているとな。危なっかしいし」
「ええ」
「それに。応援したくなるんだよ、あの二人は」
「助けてあげたくなる」
「ああ。妬けるけれどな」
ここで純粋な苦笑いになった。
「けれどそれを差し引いても実らせて欲しいんだよ、あいつ等には」
「敵味方を越えたものを」
「俺達だってゼントラーディやメルトランディと和解できたしな」
「あれは特別だけれどね」
そのメルトランディ出身のミスティが応える。
「歌があったから」
「リン=ミンメイか」
「けれど愛もあったわよ」
「マックスさんとミリアさんね」
「そうそう」
レトラーデは上機嫌に言う。
「ミスティさんだって霧生と」
「まあね」
それを言われて少し頬を赤くさせる。
「成り行きで」
「愛があれば種族なんて、ってやつだな」
「では一矢にも期待するか」
「ああ、あいつならやってくれるさ」
「あいつは。不思議な男だ」
ガルドは低い声でこう述べた。
「繊細で。それでいて一途だ」
「そうだな。そして見ていると放っておけない」
「助けたくなる。あんな男ははじめてだ」
「そんな奴に惚れられるなんて。あのエリカって娘も幸せだよな」
「そうですよね、私もそんな恋がしたいなあ」
「お嬢ちゃんにはまだ早いぜ」
イサムはレトラーデをからかうようにして言った。
「あっ、嫌な言い方」
彼女はそれにすぐに反応した。
「まあそうぼやくなって。何時か恋もするからよ」
「どうせ馬鹿にしてるんでしょ」
「ちょっと待てって。そんなんじゃ」
「ふん」
「あらあら、レディーを怒らせちゃって」
「おい人聞きの悪いこと言うなよ」
ミスティのからかいにも困った顔をする。
「困った奴だ」
「ガルド、手前まで」
皆でイサムを叩きにかかった。イサムはそれに面白い様に手玉にとられていた。
マクロスでは他にも騒ぎがあった。バサラが甲板で派手に単独ライブを敢行していたのである。
「イヤッホーーーーーーーーーーーーゥ!」
ギターをかき鳴らしながら叫ぶ。
「俺の歌を聴けーーーーーーーーーーーーっ!」
いつもの言葉と共に曲を奏でる。彼はすぐにハイテンションになっていた。
「これがファイアーボンバーのギターね」
そこには多
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