第七十三話 バルマー司令官マーグ
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ヘッ、そんなの後でどうにもならあ」
リュウセイはライに対してこう返した。
「バルマーの奴等、一人残らずぶっ潰してやるぜ」
ハワイでの戦いは終わった。バルマーは撤退しロンド=ベルはハワイを守りきった。これを以ってハワイでの戦いはロンド=ベルの勝利と言えた。
戦いを終えた彼等は補給を再開した。そして日本に向かう準備も同時に再開したのであった。
「日本か。何か久し振りね」
ミスティがマクロスの娯楽室で呟いた。彼女は今一人でビリアードの練習をしていた。
「ミスティさん日本にいたことあったんですか」
側にあるソファーに座っているレトラーデが彼女に尋ねた。彼女は漫画を読んでいた。
「ここに配属される前はね。日本にいたのよ」
「へえ」
ここで弾をついた。数個の弾がまとめて弾かれる。
「といってもこの戦争がはじまる前だけれど」
「新型機のテストか何かですか?」
「ダイアモンド=フォースが今乗っているあれのね。訓練をしていたの」
「ふうん」
「VF−19ね。面白い機体ね」
「色々とやってたんですね」
「メルトランディにいた頃はまさかマクロスに乗るなんて考えもしなかったけれど」
実は彼女はメルトランディ出身なのである。
「いざ乗ってみると。楽しいわね」
「ですね」
「俺みたいなナイスガイもいるしな」
「あら、古い言葉ね」
ミスティは笑って声がした方に顔を向けた。そこにはイサムとガルドがいた。
「俺は何も言っていない」
ガルドはポツリと呟いた。
「こいつが勝手に言っているだけだ」
「おいおい、つれねえなあ」
イサムはそれを聞いて軽口を続ける。
「御前だって結構もててるじゃねえか」
「俺は別にもてたいとは思わない」
だがガルドの返事はつれない。
「御前とは違う」
「ヘッ、相変わらずの朴念仁かよ」
「イサムさんが軽過ぎるんですよ」
レトラーデはそんな彼に対して言った。
「日本でも激しい戦いになりそうですから。気をつけて下さいね」
「そういや何かまたバームの連中が賑やかになってるそうだな」
「そうらしいわね」
ミスティはビリアードを撃つ手を止めた。そして上体を起こして言う。
「暫くなりを潜めていたけれど」
「結構派手にやったからな」
イサムは言う。
「一矢の奴も。凄かったからな」
「一矢さんですか」
レトラーデが彼の名を聞いて声をあげる。
「あの人も。何かと大変ですね」
「そうだな」
ガルドがそれに頷く。
「一矢は。あまりにも辛い」
「タケルの奴といい。うちには重いもの背負っちまってる奴が多いな」
イサムも言葉が重くなった。
「どうなるかわからねえのがな」
「何とかならないんですかね」
「難しいな。エリカはバームの司令官の妹だ」
「そうね」
ミスティはガルドの言葉に頷いた。
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