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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第七十三話 バルマー司令官マーグ
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あるのでな」
「あくまで我々に逆らうつもりか」
「そうだ。私はバルマーを倒す」
強い声で言った。
「その為に生きている。それを忘れるな」
「無駄なことを」
笑ってはいなかった。強い目でイングラムを睨んでいた。
「バルマーに反旗を翻すなど」
「御前にはそれはよくわかっているな」
「御前なぞに言われたくはない」
ロゼは悔しそうに言い返した。
「私のことは。放っておけ」
「無論御前自身のことには興味はない。だが」
「だが?」
「御前もまた。自分の心を偽るな」
「馬鹿な、私が自分の心を偽るだと」
ロゼはそれを否定した。だが何故か心の何処かでそれを否定しきれていないことに気付いていた。
「何故そうする必要がある。私はバルマーの為の機械だ」
「そうか」
「そうだ。心なぞない。私はあくまでバルマーの為に動くだけだ」
「心がない、か」
イングラムはそれを聞いてシニカルに笑った。
「何が言いたい」
「いや、よくもそこまで自分を偽れると思ってな」
「私を愚弄するというのか」
「そんなつもりはない」
イングラムは冷やかに言い返す。
「その答えは御前自身が最もよくわかっている筈だからな」
「おのれ」
「ロゼ、ここは下がれ」
イングラムは今度はロゼに対して下がる様に言った。
「今は戦う時ではない。それはもう終わった」
「何を」
「いや、ロゼも下がれ」
マーグが戻った艦の艦橋からロゼに言った。
「司令」
「我々もダメージを受け過ぎたここは下がろう」
「ですが」
「無理をしてはいけないと言ったね」
「は、はい」
「そういうことだ。ここは退くんだ。いいね」
「わかりました。ロンド=ベル」
キッと彼等を見据える。
「ここは退く。だが忘れぬぞ」
こうしてロゼも去った。そしてバルマー軍も退いた。戦いは決着がつかないままとりあえず終わった。
「兄さん・・・・・・」
タケルはマーグの乗る艦が消えた方を見ていた。だが当然ながら返事はなかった。
「心配することはない」
だがイングラムは項垂れる彼にこう言う。
「いずれ御前の願いは適う」
「気休めですか」
「違う。さっきマーグは頭を押えていたな」
「はい」
「彼は洗脳されている」
「洗脳」
「それが弱まっているということだ。また機会があれば話せばいい」
「兄さんと」
「だが辛い道だ」
イングラムの声が硬くなった。
「成功する可能性はないに等しい。また敵の司令に向かい合う危険はわかっているな」
「はい」
「命の危険もある。それでもいいな」
「俺の命」
彼はこの時自分の身体のことを思った。起爆装置が埋め込まれた自身の身体を。これが起爆すれば地球そのものが消えてしまうのだ。それを思うととてもすぐには言えなかった。
「それは心配するんじゃ
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