第七十三話 バルマー司令官マーグ
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「そうだ。だが完全ではないのはわかったな」
「はい」
アヤは頷いた。
「頭が痛い・・・・・・。こんな筈が」
「一緒に行こう、兄さん」
タケルはさらに言う。
「そして共に地球を」
「共に地球を・・・・・・」
「黙れ地求人!」
しかしここで邪魔が入った。ロゼがまたゼーロンで出撃して来たのだ。
彼女は二人の間に入る。そしてマーグを庇いながらタケルに対して言う。
「司令を惑わせるつもりか!それは許さん!」
「クッ!」
「司令には指一本触れさせはしない!この私がいる限り!」
「御前は!」
「ロゼ!」
彼女は名乗った。
「先程も言ったな!バルマーの副司令にしてマーグ司令の副官だ!」
「あの若さでか」
グローバルはそれを聞いて少し目を大きくさせた。
「相当なものだな」
「おそらくかなりの能力を持っていると思われますね」
クローディアがそれに応えた。
「何の力までかはまだわかりませんが」
「うむ」
「司令」
ロゼはマーグに顔と声を向けた。それまでの強い調子とは変わって穏やかで女らしいものになっていた。
「大丈夫ですか」
「ロゼか」
「はい。司令の危機なので参上致しました」
「艦に退くように言ったのに」
「申し訳ありません。司令の危機にいてもたってもいられず」
本当に申し訳なさそうに言う。
「来てしまいました。御許し下さい」
「いや、許しを乞うべきなのは私だな」
「えっ」
ロゼはそれを聞いて思わず声を出した。
「それは」
「私がふがいないばかりに君に心配をかけた。司令として失格だな」
「いえ、そのような」
そこまで言われてはロゼの方も収まりが悪かった。
「司令を御護りするのが副官の、そして私の役目ですから」
「そう言ってくれるかい?」
「はい」
優しい、少女らしい笑顔で微笑む。
「ではここはお退き下さい」
「悪いね。ではそうさせてもらう」
「はい」
マーグはそのまま退きはじめた。タケルはそれを追おうとする。
「待ってくれ、兄さん!」
「黙れ!」
だがそれはロゼのゼーロンによって阻まれてしまった。
「ここは通さぬ!どうしても通るというのなら私を倒してからにしろ!」
「なら!」
「いかんな」
ゴッドマーズはまた剣を構えた。だがそれは突如としてやって来たアストラナガンにより止められてしまった。
「待て」
「イングラムさん、どうして」
「今この女を斬ってマーグのところに行っても何にもならない」
「そんな」
「まだ時ではないのだ。待て」
「イングラム=プリスケンか」
ロゼはイングラムのアストラナガンを見て言った。
「裏切者が。生きていたのか」
「死んだとは聞いていない筈だが」
イングラムはロゼにこう返した。
「違うか。私もアストラナガンもまだやるべきことが
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