第六十三話 謎の少女
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じゃ。私のことをいつも考えてくれる。ハマーンがいなくては私は生きてはおれぬ」
「そう」
「ハマーンは私の為に動いてくれる。私はそのハマーンの言うことを聞くのが仕事だ。それはわかっているつもりだ」
「ミネバちゃんも優しいんだも」
「優しい、私が」
「そうだも。ハマーンさんのことを思っているも。だからそんなことが言えるんだも」
「ハマーンには自分のことはあまり考えてくれるなと言われているのだがな」
そう言いながら俯く。
「だが。私の側にいて、身を削って働いている者を。どうして考えずにおれよう」
「それが優しいっていうことなのよ」
アカリも言った。
「ミネバさんってすごく優しいよ。まるでヒメ姉ちゃんみたいに」
「ヒメ姉ちゃん」
「僕達のお姉ちゃんだよ。孤児院から今までずっと一緒だったんだ」
ユキオも言う。
「いつも僕達の面倒見てくれているんだ。ずっとね」
「そうか。いい人のようじゃな」
「とってもね。ところで私達の名前だけれど」
「うむ」
「私はアカリ」
「僕はユキオ」
「クマゾーだも。宜しくだも」
「うむ。こちらこそ宜しくな」
ミネバも挨拶を返した。
「では暫しここにて留まろう。色々と話でもしながらな」
「うん」
こうして子供達はOVAも交えておしゃべりに入った。それは何処にでもある普通の光景であった。ミネバもここでは何処にでもいる普通の子供であった。
彼女達がダカールの一郭で留まっているその時にもジオンの潜水艦部隊はダカールに向けて進んでいた。既に水中モビルスーツ達が発進していた。
「敵はいるか」
後方で全体の指揮を執るブーンが部下達に対して問うた。
「今のところはいません」
部下達はそれに答える。
「このまま進撃を続けて宜しいでしょうか」
「ああ、構わん」
ブーンはそれをよしとした。
「だが気をつけろ。何時来るかわからんぞ」
「了解」
「それでは上陸します」
ズゴックにゴッグ、そしてアッガイといったジオンの誇る水陸両用モビルスーツ達が姿を現わした。そしてゆっくりと港から市街地に向かおうとする。
「ジオンが来たぞ!」
「迎撃しろ!」
港湾を守る僅かばかりの連邦軍の将兵達が戦車や装甲車、戦闘機で向かう。だが所詮そういった装備ではモビルスーツの敵ではなかった。
「無駄だな」
「とっとと失せろ」
ビームによる攻撃であっさりと退けられた。そしてジオン軍はそのまま前に進もうとする。
だがその前に一陣の風が姿を現わした。それは銀の翼を持つ鳥であった。
「よし!ギリギリ間に合ったな!」
マサキはサイバードのコクピットで敵の姿を見て叫んだ。
「こっから先は進ませねえぜ!」
「サイバスター!」
「全機散開しろ!」
その姿を認めたブーンが叫ぶ。
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