第六十一話 砂漠の狼
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な話をしながら砂漠を進んでいた。そしてその先ではネオ=ジオン軍が進撃していた。
「宜しいのですか、ハマーン様」
イリアがグワダンの艦橋にいるハマーンに対して問う。
「何がだ」
「ロンメル大佐のことですが」
「致し方あるまい」
ハマーンはまずはこう言葉を返した。
「彼が望んだことなのだからな」
「しかしロンド=ベルは宇宙に向かった部隊と地球に潜伏していた部隊が合流しかなりの戦力となっていますが」
「それもわかっている」
ハマーンは言った。大空魔竜達三隻の戦艦は地球に潜伏していたと考えられているのである。ラ=ギアスで戦っていたことは他の者は知らない。
「幾らロンメル大佐と青の部隊が精鋭だといっても。質量共に違い過ぎます」
「マシュマーとグレミーの部隊を援軍に送っているがそれだけでは不足か」
「私はそう思います」
イリアも引かなかった。
「やはり。全軍で向かうべきだったかと思います」
「確かにそれでは勝てたかも知れない」
「ならば」
「だが。それでロンメルが納得すると思うか」
「大佐がですか」
「そうだ。あの男は誇り高い。自らの手で戦うことをよしとしている。本来ならばマシュマーやグレミーが向けられたことも
内心快く思ってはいない筈だ」
「誇りですか」
「私も最初は全軍でロンド=ベルに向かうつもりだった。ただでさえ我が軍は数が少ない」
「はい」
「火星の後継者達の援軍はあってもな。それにあの草壁という男」
「草壁という男」
「ジオンの大義とは関係のない男だ。ましてや北辰衆なぞ。信用できる筈もない」
「それは同意致します」
イリアも北辰衆は信頼してはいなかった。
「彼等からは得体の知れないものすら感じます」
「そなたもか」
「はい」
どうやらハマーンもそれは同じであるようだった。
「あの者達は。獣だ」
「獣ですか」
「そうだ。餌を与えているうちはいい。だがそれをきらしたならば」
「我等にも牙を剥いて来る、と」
「私はそう見ている。若しミネバ様にその牙を剥いたならば容赦はするな」
「はっ」
「消せ。一人残らずだ」
「わかりました」
「ロンメルのことは彼等に任せよ。今は我々は一路ダカールに向かう」
「ハッ」
「そしてミネバ様をそこにお入れするのだ。そしてジオンの大義を宣言する」
「それこそがジオン復活のはじまり」
「そう。ミネバ様がジオンの公王になられる時だ。今まで長きに渡ってアクシズに閉じ篭っていた我々がな」
「ではその時の為に」
「進む。よいな」
「了解」
こうして彼等はサハラ砂漠を隠密に迂回してダカールに向かっていた。しかしこれもまた何者かに補足されていたのであった。
「そう易々と貴女達をダカールに行かせるわけにはいかなくてね」
白いスーツの男が砂
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