第六十一話 砂漠の狼
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、そしてイーノも言った。
「そうなのよね。誰かいてくれたらいいだけれど。タケルさんにも恋人が」
エルの続いた。
「せめて全部わかってくれる人がいると違うだろうな。俺のとこのリィナみたいに」
「あれっ、そういえばリィナここにいないね」
「ダカールに置いてきた」
プルに答える。
「ダカールに」
「ああ。今回砂漠での戦いだからな。色々と危ないしな」
「危ないって何がだ」
プルツーがそれに問う。
「お風呂ならあるぞ」
「そんなんじゃなくてな。砂漠って毒蛇とかいるだろ。サイドワインダーとかよ」
「ジュドー君」
クリスがそれを聞いて困った顔をして彼に声をかける。
「何、クリスさん」
「それ北アメリカよ。アフリカにサイドワインダーはいないわよ」
「あっ、そうだったか」
「まあここにも色々といるけれどね。だから安心できないのは同じだけれど」
「じゃあリィナ置いてきたのはどのみち正解だったかな」
「リィナちゃん人参食べろって五月蝿いのがなければなあ」
「それは御前が単に人参嫌いだからだろ。あの娘はいい娘だぜ」
「それはわかってるさ。けれどな」
キースの言葉に口を尖らせる。
「やっぱり人参は食べられないよ」
「やれやれ」
「話はそれで終わりか」
今度はバニングが入ってきた。
「大尉」
「丁度いいタイミングだ。来るぞ」
「敵が」
「そうだ。砂漠から来る。用意はいいな」
「勿論」
彼等は一斉に応えた。
「空からの部隊はドラグナーチームと変形可能なモビルスーツがメインであたれ。他の者は砂漠から襲って来る部隊を迎撃しろ」
「了解」
「我々は砂漠での戦いにはあまり慣れてはいない。地の利も敵にあることを忘れるな」
「はい」
「わかったら行け。いいな」
「わかりました」
バニングの指示の下彼等は一斉に動いた。するとその前に砂の海からジオンのモビルスーツ達が次々と姿を現わしてきたのであった。
「来たな、連邦の犬共め」
その先頭にいるデザートザクに乗る険しい顔の男が呟いた。彼がロンメルであった。
「この日が来るのをどれだけ待ったことか」
彼は感慨を込めて呟いた。
「今日こそはジオンの大義を。果たしてくれる」
「ジオンの大義ですか」
上にいる赤いバウから通信が入ってきた。
「今まで待たれていたのですね」
「貴官は」
「グレミー=トトです」
まずグレミーが名乗った。
「大佐の援軍に来たネオ=ジオンの者の一人です」
「そうか、そうだったな」
ロンメルはそれを聞いて頷いた。
「とりあえずは感謝する」
「はい」
だがその言葉は何処か不愉快さが混じっていた。やはり援軍というものに内心楽しんではいないようであった。
「援軍に来たのは貴官の部隊だけだったか」
「いえ
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