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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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軌道に弾き防御(パリィ)が追いつかないと言うのが、率直な感想だ。一応すぐに慣れたので回避は可能なのだが、手首の捻り方や軸となる左手の動き次第で上下左右だけでなく円を描いた軌道まで繰り出してくるその槍は、いくら慣れてもすぐにまた違う軌道を繰り返してくるおかげで上手く捌ききれない。咄嗟に動くにしても、場所が悪い……

「ハアァッ!!」
「んなろ……!」
 突き出された槍を、リョウは横薙ぎに槍を古い再び叩き落とそうとする……が、またしても槍が軌道を変える。下だ!

「くおっ……!」
 ギリギリで交わすものの、左足首を槍がかすめ、HPを削る。これで、残りは半分……

「んっとに……怖すぎだろその槍……」
「…………」
 かすり傷だらけとなり、最早驚きを通り越して感心しているリョウを、ホムラは相変わらずじっと見つめ、小さく言う。

「腕に自信が有るのなら、本気を出してはどうですか……?」
「ははっ、徴発されちまうとは、中々どうして情けねぇな……ま、そう言うなよ……」
 しかしこの期に及んで、リョウはまだ余裕を崩していなかった。根拠のない自信と言うわけではない。それが証拠に、彼の後ろに紫色の光が見える。それは……

「言われなくても、そろそろ第二ラウンドだ」
 ボボボボンッ!!と言う音とともに、周囲に大量の煙幕をまき散らした。キリトの使った、幻属性魔法の煙幕だ。暗記を手伝っていたおかげで、聞き耳のスキルによって聞こえたキリトの呪文が何を意味するのかが分かっていたのだ。

「えっ……!?」
 ホムラの戸惑う声とともに、直ぐに二人の周囲も濃い煙に包まれる。
そしてその暗い煙の中で、すぐに幾つかの事が起こった。ある少女は、腰から剣を抜きとられ、有る少年は空中へと飛び上がり、有る青年は、メニューウィンドウを操作して切り札を抜き放つ。その本の数秒を、しかし決定的な数秒を稼いだ煙は、サラマンダーの大男の怒り声と共に看破(ディスペル)される。
 朱い一閃の光と共に、世界に光が戻る。

「っく……どこに!?」
 ホムラは、戻った視界の中で必死に敵である青年を探した。見えないところから不意打ちされてはかなわない。しかし右を探せど左を探せど、男の姿は影も形も見えない。ホムラが焦り始めた時、その声は意外な所から聞こえた。

「下だ下!」
「っ!?」
 言われて即座に下を見たときには、既にリョウは装備の換装を終えていた。長大な斬馬刀は、凄まじい威圧感を放つ青龍偃月刀へと姿を変えている。それを持ったまま腰をしっかりと落としたリョウは……

「う……オオオォォォ!!」
 その力を地面に向かって解放。通常の“飛翔”ではあり得ないスピードを持って“跳んだ”。

「な……っ!」
 この跳躍は、言ってしまえばリョウだからこそ出来る技術
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