ALO編
六十八話 事態急転
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感を持って、リョウ達の眼前の空にそびえたっていた。
「あれが……世界樹か」
その名を《世界樹》。この世界の象徴であり、キリト達の、目指すべき場所。
「っと、お二人さん。ほおけてる場合じゃねぇぞ。会談場所ってなぁ何処だ?」
「あっ、そうね。えっと場所は、《蝶の谷》の内陸側の出口で行われるらしいから……あっちね」
そう言って、リーファは北西の方角を指差した。
「了解、残り時間は?」
「二十分」
「ギリギリだな……サラマンダーはあっちからこっちに動くわけだから……」
リョウが確認するように南東から北西へと指を動かす。
「俺達より先行してんのか……ってとこだな」
「とにかく、急ごう。ユイ、サーチ圏内に大人数の反応が有ったら教えてくれ」
「はいっ!」
真剣な顔でうなづく小妖精を確認、アイコンタクトで頷きあうと、三人は翅を鳴らして加速に入った・
────
「にしても、この高原、モンスターいねぇよな」
雲海を斬り裂き飛行する三人の中で、後ろに着いていたリョウが言う。直ぐに、リーファが答えた。
「この《アルン高原》に、フィールド型Mobは出ないのよ。会談をこっちでやるのも、多分そのせいね」
「成程、大事な話し合いしてるときに、モンスターが湧いちゃ興ざめだもんな」
そう返したのはキリトだ。
ちなみに、もっとも邪魔されないな各領地で行わないのは、当然ながら、それが罠である可能性を危惧しての事だ。誘い込まれて「領主が切られました」では笑い話にもならない。
閑話休題
キリトはそう言った後に、一度二ヤッと笑う。
「でもこの場合は有りがたくないな」
「え?なんでよ」
訪ねたリーファに答えたのは、リョウだ。
「そりゃさっきみてぇに、隊群のMobトレインして部隊にぶつけるってのが出来ねぇからだよ。俺の《モンスコルソング》も、そうなっちゃ役たたねぇ。平原で前周囲からとか、面白そうなのによぉ……」
「良くそんなこと考えるわねぇ二人とも……て言うか、キリト君のはともかくリョウのはこっちも危ないじゃない」
「あぁ、そりゃそうだな」
「そうよ。ま、あっちはさっき以上の大戦力らしいから警告が間に合ってケットシー領に逃げ込めるか、もしくはみんな揃って討ち死にするかのどっちかだと思うよ」
「…………」
その時だった。
「あっ!プレイヤー反応です!」
「どっちだ!ユイ!」
「前方に大集団──数、六十六。これがサラマンダーの強襲部隊だと思われます。その向こうに十四人。シルフ及びケットシーの会談出席者と予想されます。接触まで後五十秒です!」
それと同時に雲海が解け、視界がクリアになる。緑色の巨大な平原の中に二つの人の塊が見える。片方は、五人一組の楔形フォーメーションを組んでの十三編隊。
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