ALO編
六十八話 事態急転
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事は間違いなくそこで起こった真実だ。だから、その反動も代償も、受けるのはプレイヤー自身。自分のする事は自分で決める。自分で責任を持つ。誰かに、自分が選択する責任を肩代わりさせるような事をしちゃいけない。だから俺は、俺の思いに従うよ──俺、リーファの事好きだよ。友達になりたいと思うし、そうありたいと思う。たとえどんな理由が有ったとしても、俺は自分の為にそういう人を斬る事はしたくないし、絶対にしない」
「キリト君……」
キリトの言葉はどこか少し説教臭かったが、同時に絶対に曲がる事が無いであろう真摯さも含まれていた。少し後ろでリョウが苦笑する気配を感じながら、リーファは立ち止まる。ほんの少し遅れて、キリトも立ち止まった。リョウは二人の後ろ側に離れて止まる。
「……ありがとう」
どこか哀愁を含んだ声で言ったリーファに、キリトも照れたように笑い返す。すると後ろのリョウが、呆れたように大きくため息をついた。
「やれやれ……一人忘れてるぞ〜御二人さん」
「あ……」
「あはは……悪い悪い」
腕を組んでまた溜息をつくリョウに、キリトは頬を掻きながら苦笑する。が、対しリーファは少し不安げに瞳を揺らすだけだ。彼女も気づいているだろうが、リョウはキリトと比べ幾らか合理的な思考を働かせるタイプであるため、少し警戒したのだろう。が……
「で、兄貴はどうする?」
「そうさな……此処でリーファをぶった切って行くってのも悪役チックで悪くねぇが……この洞窟ん中で俺の得物じゃそこの剣士どのとはやりあえねぇし、それに……俺は女は極力斬りたくねぇ主義なんでな。ま、やめとくわ」
あっけらかんと、リョウはそう言い切った。リーファは少しほっとしたように息をつき、キリトはと言うと「何格好付けてんだよ」と自分の事を棚に上げて苦笑している。
「格好つけんのは男の性って奴だ少年。ってわけで、行こうぜ?その会談場所とやらによ」「え……?」
まさかそこまで首を突っ込んでくるつもりだと思っていなかったのか、リーファは呆けたように首をかしげる。しかしキリトの方は……はじめからそのつもりだったらしく、頷いてから額に手を当てる。
「そうだな……ってそうすると時間無駄にしちゃったな……ユイ、走るからナビよろしく。兄貴、いけるか?」
「りょーかいです!」
「マックスピードってか?まだやってねぇからちいときついかもだが……ま、なんとか付いて行くとしますかね」
「悪い、頼む。リーファさんちょいとお手を拝借……」
「え、うん?え?」
いまだに状況を理解できていない様子のリーファだったが、それに構わずキリトは自身の左手をリーファの右手に伸ばし、掴む。
「Ready……」
「えっ!?あの──」
「Goッ!!」
「用意……」の時点で曲げていた足で、キリトとリ
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