ALO編
六十八話 事態急転
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
光が、リョウの疑念を倍加させていた。
────
これ以上考えても手掛かりが足りないため、戻ってきたキリトと何やらトカゲっぽい爬虫類の串焼きを食べていたリョウ達の横で、突然リーファの体が目を開き、スバッ!と立ちあがった。
「おおっ!?」
「うわっ!びっくりした!?」
それまでおとなしくしていた彼女の行き成りの動きに、リョウとキリトが同時に目をむく。キリトは危うく串焼きを落としそうになったが、なんとか耐えたようだ。
「おう、お疲れさん」
「お帰り、リーファ」
「お帰りなさい!」
口々に言ったキリト達の笑顔とは裏腹に、リーファの顔はかなり険しいものだった。返す暇もないと言った風に言う。
「キリト君、リョウ──ごめんなさい」
「あン?」
「え、えぇ?」
突然の謝罪に驚くリョウとキリトに、リーファは続ける。
「あたし、急いで行かなきゃいけない用事が出来ちゃって……説明してる時間もなさそうなの。多分、此処にも戻ってこられないわ……」
「ふむ……いきなりだな……」
「…………」
リョウは顎に手を当てながら呟き、キリトはじっとリーファの瞳を見つめる。その一瞬で何を察したのか、キリトはコクリと頷いた。
「分かった。じゃ、移動しながら話を聞こう」
「え……?」
「どっちにしろ、此処からは足を使ってでないといけないんだろ?良いか?兄貴」
「ま、しゃーねぇわな。案内役に居なくなられると困るし」
「……わかった。じゃ、走りながら話すね」
そう言って三人はルグルーを一気に駆けだす。幸い、リョウは完全にこの体には慣れていたため、久しく……と言うか、始めてキリトの全力疾走について行っている。
『追いつけなくて先に行かせてた頃もあったからなぁ……』
そんな事を思い苦笑していると、リーファの説明が始まる。と言っても、大方はリョウの予想にも沿った事だった。
シグルトがサラマンダー側に寝返っており、パス・メダリオンをサラマンダーに発行して彼らを領地内に入れていた事。リーファ達にトレーサーを付けていたのは、そのサラマンダーの仕業だと思われる事。そして……
「領主会談を襲撃だぁ!?」
「うん……だから何が何でも止めないと……!」
そう、シグルトは、極秘に行われると言うシルフとケットシーの同盟調印式を、サラマンダー側に襲撃させようと言うのである。ちなみに領主をキルすると、その種族には無条件にキルした対象種族の領主館に蓄積される資金の内三割を無条件で入手できるうえに、十日間その種族に対し自由に税金をかける事が出来る。サラマンダーが現在最大勢力を誇る種族であるのは、以前一度シルフの領主を嵌め、この利益を取ったところが大きいらしい。
また今回の場合ケットシーとシルフの同盟を邪魔する事も出来る。無
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ