フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
鍍金の勇者、泥棒の王、反逆の死神
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。
体が宙に浮き、カーソルは緑から黄色、モンスターのそれに変化し、紺の防具が一瞬、輝いたと思うとそれはいかにも悪の魔王らいしいゴツイ鎧になった。
2本の大太刀が自動的に召喚され、それぞれの数が4倍に増えた。それらが並びを変えて、足元に円を描いて並ぶ。
8本の刀が作るそれはまるで『蓮華』の葉。
則ち、『八葉』。
《無限の音階》の亜種のようなそれは『両刀』、『八葉蓮華』の真の姿だった。
須郷は目を剥き、キリトとアスナは驚きはしているものの、納得の表情をしている。
「さて、神様?今度はこっちのターンだ」
――スーパーバイザー権限変更。ID《オベイロン》レベル1。
「馬鹿な……僕より高位のIDだと……?有り得ない……僕は支配者……この世界の神だ!」
自分の立場を今だに理解していないらしいこの男は、往生際悪く足掻き始めた。
「システムコマンド!!オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」
だが、システムはもう須郷の声には答えなかった。
「1つ、教えてやろう」
俺は右手を横にかざすと、《エクスキャリバー》を何も言わずに召喚した。
「お前はもともとこの世界の支配者でもなければ、神でもない。ただの人間だ。気づかなかったのか?この世界の調節者たる《カーディナル》は何故、SAOが停止後、動いているのか」
「僕が動かしているんだ!!あのシステムを操作してこの世界を動かしているのは僕だ!!」
レイは目をギラギラさせながらわめく男を愉快そうに見下ろす。
「違うな。現在のカーディナルの稼働率はたったの30%……一部の機能しか働いていない。残りの70%を動かせるのは今や俺だけだ。最高位の権限を持っているのは《カーディナル》それ自身。次に茅場と俺だからな」
須郷の顔が一際大きく歪む。その時にはもう、俺の興味は無くなっていた。
「キリト、待たせたな。もう終わらせていいぞ」
「ああ……」
ひょいっ、と須郷にエクスキャリバーを投げ渡し、俺は黙って戦いの行く末を見守る。
「決着を付ける時だ。泥棒の王と鍍金の勇者の……。システムコマンド、ペインアブソーバをレベルゼロに」
「な……なに……?」
妖精の王に動揺が走り、後退る。その背後の床に大太刀が飛来する。
「ひ……」
「逃げんなよ♪」
ようやく、状況が呑み込めたらしい須郷は茅場がどうのこうのとか言っていたが、その後はろくに足掻けもせずに全身を切り刻まれ、消え去った。
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