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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
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フェーズに移行。端末、オーバーフロー防止のため解凍速度20%ダウン。


外部ツールによる自動音声が決して喜べはしない情報を流して来る。


――やはり、とっとと捕らえるべきだったか……。


私情を優先させたせいで、その当人達がこんな目に合うのなら……。


「元SAOプレイヤーの皆さんの献身的な協力によって、思考・記憶操作技術の基礎研究は既に八割がた終了している!いやあ、楽しいだろうね!!君達の記憶を覗き、感情を書き換えるのは!!」


――ま、言質は取れたが……。


須郷はこれ以上無いというような愉悦の中にいる。
やるなら今だが、限定起動では勝算がない。


――解凍率、99%


準備は整った。だが、このプログラムの卑しい所は『きっかけ』が必要なことだ。
須郷が合図を送ると、何もない上空から鎖が降ってきた。それをアスナの右手首に嵌めるともう片方の鎖を引く。


「きゃあっ!」


アスナが右手から吊り上げられ、苦しそうな表情になると、須郷の顔が満足気に歪む。


――ドクンッ


体の芯に重い何かが集まってくる。それは喉まで到達し、怨嗟のの唸りとなって洩れる。


「ははは。余裕を見せていても自分が何も出来ないと悟ると逆上するのか。実に滑稽だね!」


ちらりと須郷はこちらを見ると、笑いながら見下ろしてくる。


「……安心しろ。すぐにお前も同じ目に合わせてやる」


そう言い返すも、須郷はそれを一蹴し、お楽しみに戻る。
キリトは今だにもがき続けているが、その度に須郷にあしらわれる。

――やがて、キリトの目から光が消える。アスナはそれを見て泣きそうな顔で項垂れる。須郷のテンションは最早、有頂天だ。


『心』が冷える。その場の現象に対する自分の立場が『主観』から『客観』に切り替わる。


目の前にあるのは下衆な男とそれが虐げる少女、そして地にひれ伏す少年。

少女が、すっと俺を見やる。

その目が訴えかける意味は『客観』の立場たる今の俺には計り知れない。


――だが、それが『きっかけ』だ。だろう?ヒースクリフ……


『待たせたね。レイ君。―――存分にやりたまえ』


――遅えよ。









「「システムログイン」」


声が重なったのは果たして偶然か………十中八九あの石頭の策略だろうが。


「ID《ヒースクリフ》パスワードincarnation world/2022」

「ID《The Traitor》パスワードdescendit. proditor/2022」









――プログラム、完全解凍。《The Traitor》起動
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